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秒読み!?大谷の日本ハム入り 入団発表は「大安」か「11日」か

   大リーグへの熱が冷め始めたようである。160km/hを投げる高校球界のNo.1速球投手、大谷翔平(岩手・花巻東)は、ドラフト1位指名を受けた日本ハムの交渉に大きく反応し、条件の話もしている。「心変わり」を責める周囲の声はほとんどない。

「大リーグ行きのオプション」に同意した?

   今年の旬、栗山英樹監督が初めて大谷と会ったのは2012年11月26日のこと。そこでは、大谷を「投手だけでなく打者としても評価している」と日本ハムの見方を説明した。

「(私が)こちらから出向くことはない。返事を待っている」

   栗山監督は大谷と別れた後、こう言い残した。パ・リーグのチャンピオン監督はユニホームを着るまでメディアの仕事をしていたから、話の持って行き方はうまい。しっかり考えを伝えたはずである。

   その後、12月3日に再び栗山は大谷と会った。内容は、大谷の疑問を解くこと。「投手で行く」「背番号11」を提示、ダルビッシュ有の後継者と位置づけている、と栗山は絶好球を投げ込んだ。両者、気分良く分かれたそうである。

   表向きは交渉過程となっているが、大谷側は「内諾」を栗山に伝えた、と推察する。そうでなければ、二度目はないと言った監督が会う理由がない。入団を前提に細部を伝えたと考えるのが妥当だろう。

   その場でさまざまな条件を話し合い、日本ハムはおそらく大谷の要望をほとんど受け入れたと思う。契約金は高校生では破格の「1億円+出来高払い5000万円」で、年俸も大学生トップクラス1位なみの「1500万円」になるだろう。

   大谷の最大の要望は、大リーグ行きのオプション、と思われる。たとえば、5年間プレーした後、大谷がその選択権を行使できる、というようなものだ。年齢で区切っていることも考えられる。この要求が解決したからこそ栗山が出かける理由となる。

米国で地獄を見て日本で「田沢ルール」のリスク

   もし、大谷が日本ハム入団を断って米国に渡った場合、間違いなく地獄をみる。ルーキーリーグに送り込まれ、そこには選手同士の競争に加え、人種との戦いが待っている。東北という大人しいところで育った大谷にとっては野球どころではなくなる可能性がある。

   さらに「田沢ルール」の適用選手になってしまう。日本球界に戻るには3年間待つという取り決めだ。力を発揮できずに米国から帰ってきた選手は、まず選手生活を断たれると思った方がいい。

   もう入団発表の準備をしていることだろう。プロ野球のような勝負の世界では、ゲンを担ぐ。「吉日」を選ぶ。12月は、9日(日)13日(木)19日(水)25日(火)が「大安」。

   25日のクリスマスは絵になるし、話題を呼ぶ。あるいは背番号にちなんで11日(火)もある。この日は「先勝」で「急いで吉」という意味もある。いずれにせよ、発表の日は近そうだ。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)