「自動車業界2013」BNPパリバ証券・杉本浩一氏に聞く(下)
ホンダは「軽」に本気だ 「フィット」の次のクルマに注目

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   海外での現地生産に早くから取り組んでいた日産自動車やホンダ。その分、中国での大規模な反日デモの影響は小さくなかったが、世界一の自動車市場となった中国への「熱」は冷めることはないようだ。

   同時に、日本への「逆輸入車」も珍しくなくなった。日産「マーチ」などに続いて、2012年は三菱自動車が「ミラージュ」を11年ぶりに復活させて、タイから逆輸入して発売した。

   国内市場はエコカー減税が終了したことで生産・販売ともに急減しているが、そうした中で大健闘しているのが「軽自動車」市場だ。スズキ、ダイハツの2強に、ホンダが肉薄している。2012年末に飛び込んできた三菱自動車の大規模リコール問題は「軽」のイメージを傷つけたが、それをものともしない勢いがある。

   ホンダは軽自動車にどれほど本気なのか――。BNPパリバ証券で自動車セクターを担当するシニアアナリスト、杉本浩一氏に聞いた。

若い女性に「かわいい」といわれる

ホンダは「軽自動車」に本気だ!(写真は、BNPパリバ証券の杉本浩一氏)
ホンダは「軽自動車」に本気だ!(写真は、BNPパリバ証券の杉本浩一氏)

―― ホンダは軽自動車シフトを強めています。

杉本 ホンダの軽自動車シフトは本気です。軽自動車はかつての、消費者にとって「小さくて危ない」クルマではありません。低燃費で経済的。規格が変わった(1997年)ことで「危ない」というイメージも薄れました。メーカーにとっても、儲からないクルマから儲かるクルマへと変わっています。ホンダは軽自動車の分野でブームを起こしつつあるといえ、また海外にも攻勢をかけていきます。

―― かつてホンダが経営不振に陥ったとき、ミニバン型乗用車の「オデッセイ」がそのピンチを救いました。いまのホンダにとって、軽自動車がエポックメイキングなクルマになるということでしょうか。

杉本 その可能性があるということです。「N」シリーズには注目しています。

―― どのようなところで、そのようなことを感じますか。

杉本 これはホンダだけではありませんが、いまの軽自動車は若い女性に人気があります。とにかく、車両のデザインや色遣いがいい。「かわいい」と評判ですよ。
   軽自動車はいまでも地方の必需品であることには違いありませんが、最近は町でも多く見かけます。町でも「おしゃれ」に乗れるところが人気なんです。それに燃費のよさが加わったのですから、女性に人気が出ないはずがありません。

―― 軽自動車戦争は熱いです。

杉本 軽自動車のメリットには税の恩典を含め、維持費が安いことなどがありますが、いまは燃費などのクルマの性能面がどんどん向上しています。スズキ、ダイハツの争いにホンダが加わり、新車が発売されるたびに燃費性能がアップしているように、競争によって市場が活性化していて、いい効果が生まれています。

「軽」の設計、技術、製造の一元化で成果

人気の軽自動車、ホンダ「N‐ONE」
人気の軽自動車、ホンダ「N‐ONE」

―― ホンダは他社と比べてどのような点が違うのでしょう。

杉本 東日本大震災後、本田技術研究所(栃木県芳賀町)の研究・開発要員を鈴鹿工場(フィットやN‐BOXなどを生産)に移し、軽自動車の設計、購買、生産技術、製造に携わる従業員を集めて、そこで互いの意見をぶつけながら開発できる環境を整えました。開発と生産を一元化したことで軽自動車の新たな可能性を引き出すことに成功、おおいに成果を発揮したのです。
   そういった技術は小型車などの開発や生産にも、必ずいい効果をもたらすでしょうし、なかでも「フィット」の次なるクルマに、わたしは注目しています。

―― 三菱自動車の大規模リコールは同社自身に、また好調な軽自動車市場に影響はありませんか。

杉本 残念としか、言いようがありませんね。三菱への影響については国土交通省の立ち入り検査もありますし、まだ全容がはっきりしないのでなんとも言えません。ただ、軽自動車市場への影響はほとんどないと考えています。

―― 最近は低燃費と低価格が優先されて、電気自動車は置き去りにされているようです。

杉本 電気自動車は値段が高いことがあります。それにインフラ整備が遅れています。たとえば、わたしはマンション住いですが、駐車場に電源はありません。一戸建て住宅なら電源が確保できるかもしれないですが、旅先や買い物先に必ずあるとはいえません。充電を心配しながらクルマを運転したくないですからね。電気自動車の普及にはもう少し時間がかかるでしょう。

杉本 浩一(シニアアナリスト)

すぎもと・こういち 京都大学を卒業後、1994年に野村総合研究所に入社。自動車部品、米国自動車、自動車各セクターを野村證券金融経済研究所、米国野村證券などで担当する。その後2006年にメリルリンチ日本証券の自動車担当のディレクター・シニアアナリストとして勤務。2011年5月にBNPパリバ証券入社。自動車アナリストの経験は通算17年を超える。

投資情報のInstitutional Investors誌ランキングでは、自動車部品部門で1999年と2000年に1位。自動車部門2011年4位。

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