特集「尖閣最前線・石垣島はいま」第2回
沖縄メディアは「基地問題」に熱心 領土は「穏便報道」、住民の危機感薄い

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   尖閣諸島を巡る問題で2012年8月から9月にかけて、テレビから中国の過激な反日デモの映像が毎日のように流れた。複数の石垣市民は「あ然とした」という。その一方で、「尖閣に近い島」として直接被害を受けるかもしれないという危機感はあまり感じなかったと話す。

   地元紙の編集長も、一般市民の尖閣問題や領土問題への関心の薄さを指摘する。その原因のひとつとして、地元メディアの報道姿勢を挙げた。

穏健で事を荒立てない立場の報道が「主流」

石垣島で読まれている新聞4紙
石垣島で読まれている新聞4紙

   石垣島では2012年12月12日、北朝鮮が発射した人工衛星と称する長距離弾道ミサイルが近海の上空を通過した。J-CASTニュースが複数の地元住民から話を聞いた際にも、「危機感はあった」と話した教諭や、「ミサイルのせいで観光客の予約が例年より少ない」とぼやく観光業の人がいた。

   だが、尖閣問題に対する反応は意外なほど鈍かった。実際に飛んできたミサイルと違って、反日デモは海を隔てた中国で起きており、直接被害を受けたわけではない。中国の海洋監視船が接続水域を連日航行しているが、尖閣までは石垣島から船で一昼夜かかるほどの距離だ。体感的に「今そこにある危機」と感じなくても、やむを得ないかもしれない。

   地元紙のひとつ、八重山日報で編集長を務める仲新城誠氏は、メディアの尖閣問題の取り上げ方が市民の危機意識の低さにつながっているのではないか、と話す。沖縄で広く読まれている新聞に「琉球新報」と「沖縄タイムス」の2紙があるが、「両紙とも米軍基地問題は熱心に取り上げるが、領土問題の扱いは小さい」と評する。

   石垣島も地元紙としては、八重山毎日新聞という競合紙があるが、その論調は「穏健で荒立てない立場。尖閣問題の扱いは非常に小さい」と仲新城氏は話した。

   一方、八重山日報では「住民にきちんと情報を伝えたい」との方針から、他紙では掲載されないレベルの尖閣関連ニュースでも載せているそうだ。だが、石垣島の新聞購読者数を比べると同紙の「劣勢」は否めない。その影響からか、「他紙だけ読んでいる住民は、危機感がわきにくいかもしれない」と考える。

   市政にも同様の傾向がみられるという。2010年3月に就任した中山義隆・現石垣市長は尖閣問題の取り組みに積極的で、島への上陸調査や太平洋戦争中に尖閣沖で起きた海難事故の慰霊祭実施を政府に求めていた。ただ市議会では、保守系議員でも尖閣問題に関心を寄せて取り上げるのはひとにぎりだと仲新城氏。中国国家海洋局の航空機が12月13日に魚釣島付近の領空を侵犯したことに、全会一致で抗議決議を採択したが、「このような提案するのは、いつも同じ議員」だという。どこまで熱心な議論が交わされているかは微妙と言えそうだ。

市長は「置き去り」、衆院選の争点にもならず

   沖縄県内でも、中山市長の主張に同調する自治体はほぼ皆無のようだ。米軍基地問題や、米軍普天間飛行場における新型輸送機「オスプレイ」配備への反対には団結する半面、尖閣問題では中山市長が「置き去り」の状態になっていると、仲新城氏は指摘する。

   2012年12月の衆院選では、尖閣問題は争点になったのか。石垣市が含まれる沖縄4区からは5人が立候補したが、あまり強く触れなかったり、「平和的に解決を」などという主張だったりしたそうだ。「候補者は、これが民意だと思っていたのでしょう」(仲新城氏)。

   確かに市民の間では、中国での激しい反日デモの報道に触れたことで、尖閣について以前よりは関心や、石垣市の行政区域にあるとの意識は高まっているようだ。しかし仲新城氏によれば、大半の地元メディアが長年「領土問題は穏便に解決しよう」との論調を守り、沖縄県と石垣市も危機感を促すような動きは見せてこなかった。このような環境が長い間続けば、石垣市民が急に「尖閣が危ない、何とかしよう」と具体的に行動を起こすとは考えにくい。

   だが、日中関係が冷え込んだままでは状況が悪化する恐れがある。取材した市民の中には「何か起きれば最初に石垣島が攻められるのではないか、という恐怖心はある」と打ち明ける人もいた。それでも今のところ、市民の間では「対岸の火事」ととらえる空気が大勢で、切迫感はあまりないように思えた。

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