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動物園の年末年始休園に「どないなっとんねん!」 橋下市長が「休日のあり方『見直し』」宣言

   大阪市の橋下徹市長は2013年1月4日の年頭会見で、住民サービスの向上を13年の重点目標にする考えを明らかにした。その一環として、府や市の条例や規則で縛られている無駄な規制を洗い出す有識者会議「大阪版規制改革会議」を立ちあげる考えだ。そこで俎上にのぼりそうなのが、市天王寺動物園(天王寺区)。橋下市長は、年末年始が休園日だったことをツイッター利用者からの声で知り「どないなっとんねん!」と、おかんむりだ。

「正月休みを取ると言う時点でアウトでしょ。完全にお役所仕事」

   発端は、12年12月30日のツイッターの書き込み。

「要望です。昨日、仕事が正月休みに入ったので、子どもを連れて、天王寺動物園に遊びにいったら正月休みでした」

という利用者の声に橋下市長は

「確認します。稼ぐ意識が皆無ですね。真実なら大問題。これで莫大な投資をしようとしています」

と反応し、矢継ぎ早に

「天王寺動物園には、経営的視点から入園者の立場に立てと指示しているのですが、正月休みを取ると言う時点でアウトでしょ。完全にお役所仕事。入園者を必死で増やす意識0。倒産しないお役所の意識丸出し。テーマパークで正月休みを取っているところってあるのかな。入園者が少ない平日に休めばいい」
「ツイッターで色々な情報提供を頂きました。いやー、ツイッターの威力は凄い。天王寺動物園が年末年始休んでいる、大阪城天守閣も正月休み・・・・・」

と続けた。

   年明け13年1月4日の会見でも、この姿勢は変わらず、

「僕も、(1月)2日に家族旅行で和歌山の白浜のサファリパークに行きましたけど、あいていた。どないなっとんねん、天王寺動物園!」
「民間で、人が入る『かき入れ時』に休みなんて、あり得ない」

と現状を批判した。

動物園自体は「集客施設としてはすごく有効活用できる」と評価

   ただし、動物園自体については、

「都市型動物園として、集客施設としてはすごく有効活用できる」

と、一定の評価もしている。

   大阪市内で代表的な民間のテーマパークと言えば、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、此花区)。USJのサイト内に開設されているQ&Aコーナーには

「初USJ、初年末年始にテーマパーク、田舎暮らしの為どのくらい混雑をするかまったく想像が出来ません」
「12/30~1/2で、例年一番空いているのは31日です。順番でいえば、31<1<2<30という感じだと思います」

というやり取りもあり、やはり年末年始営業は利用者の関心事だということが分かる。

年末年始が休みなのは公園条例が根拠

   ただし、天王寺動物園が民間と事情が違うのは、供用日(営業日)が条例で決まっていることだ。大阪市の公園条例では、

「1月2日から12月28日まで(月曜日(その日が休日に当たるときはその翌日)を除く。)」

とあり、年末年始が休園日なのは、これが根拠だ。

   近く立ち上がる「大阪版規制改革会議」で、この公園条例は真っ先に見直しの対象になるとみられる。橋下市長は市役所や関連施設の業務についても

「サービス業という視点で、休日がどうあるべきか見直す」

と明言。あらゆる施設の営業時間が変更になる可能性が出てきた。

   実際、1月5日には、ツイッター利用者の

「一番勉強したい日曜日に大学図書館が開いてないのは辛いです!もっと勉強させてください!」

という声に対して、橋下市長は

「大学の図書館って世界標準だと24時間化でしょ。至急対応検討指示します」

と応じており、1月8日夜には、

「ツイッターでご指摘頂いた、大阪市立大学の図書館開館時間の件ですが、本年4月1日より開館時間を延長します。土曜日は19時まで延長。日曜日はこれまで休館でしたが、10時から17時まで開館します。利用状況を見て、さらにサービス向上に努めます」

と、開館時間の延長を発表している。