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中2が小6にからみiPodで「暴行ポーズ」撮影 ラインで友人に閲覧させる騒ぎに

   神奈川県寒川町の町立中学校2年の男子生徒が、町立小学校6年の男子児童にからんでそれを動画撮影し、無料通話アプリ「ライン」で友人に閲覧させていたことが分かった。

   それは、男子児童が、寒川町内の広場で2013年1月30日の放課後に、ほかの児童らと一緒に10人で野球を楽しんでいたときだった。

「鼻くそ!」の挑発に腹立て、暴行ポーズ繰り返す

   寒川町教委の学校教育課によると、男子児童がたまたま広場の草むらまで行くと、近くの中学校の男子生徒2人がいるのを見つけた。そこで、2人はなんとライターで草を焼く火遊びをしている真っ最中だった。

   顔見知りだったため、児童が注意しようとして、わざと咳払いをし、こう声を出した。

「鼻くそ!」

   すると、生徒のうち1人は、からかわれたと腹を立てた。そして、児童に謝らせたうえ、暴行まではしなかったものの、児童のあごをひざ蹴りしたり、顔を平手打ちしたりするポーズを繰り返した。そのとき、携帯音楽プレーヤー「iPodタッチ」のカメラ部分を胸ポケットから出して、2分ほど暴行ポーズをしているところを動画に撮った。この様子は、ほかの児童にも見える状態だったが、止めに入ることはできなかったという。

   この動画はそのまま、同じ中学2年の仲間40人にライン上でグループ閲覧できるようにした。ただし、不特定多数には見られない状態だった。

   しかし、児童がこの日のうちに、小学校の担任に中学生から暴行まがいの行為をされたことを相談し、翌31日に小学校から中学校へ連絡が行って、問題が発覚してしまった。

「謝った証拠を残すため」動画を撮影

   寒川町教委などの調べに対し、中学校の男子生徒は、「からかわれたようで、快く思わなかった」とからんだことを認めたため、町教委が注意するなどの指導をした。生徒はその後、児童に謝罪している。暴行ポーズをしているところの動画を撮った理由については、「またやらないようにするため」「謝った証拠を残すため」などと話したという。

   生徒は、これまで問題行動を起こして指導されたことがないため、なぜ火遊びをしていたのか町教委などが事情を聞いている。ラインでグループ閲覧できるようにした動画については、警察の指導を受けたうえで削除したとしている。

   ただ、児童にケガはなく、暴行とまでは言えないため、警察に被害届けは出さない方針だとした。中学校の生徒は、1日休んだ後は登校しているという。

   中学生が小学生に絡んで動画に撮ったケースとしては、2012年7月に、神奈川県相模原市や兵庫県で相次いで発覚し、こちらはユーチューブで不特定多数に閲覧されたうえに警察ざたにもなっている。男子生徒がこれらのケースをまねたかについては、寒川町教委の学校教育課では、「本人に聞いていないので分からず、関係ないとは言い切れない」としている。

   今回は、ラインでグループ閲覧させるという新しい手口が浮き彫りになった。このことについて、学校教育課では、「どのように利用していたか把握できていないので、今後何らかの対応を考えたい」と言っている。