2024年 4月 26日 (金)

日本原電、ピンチ脱出できるか 自民の「方針転換」に期待

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   敦賀原発(福井県敦賀市)2号機直下の「活断層」問題に揺れる日本原子力発電の経営の先行きに不透明感が高まってきた。2013年3月末に期限を迎える借入金について、一部金融機関が新たな運転資金を融通することに難色を示したことが明らかになったためだ。

   日本原電は当面不要になったウラン燃料を売却し、300億円程度の資金確保にめどをつけたほか、5%を出資する日本原燃(青森県六ヶ所村)株についても出資母体の大手電力9社に買い取ってもらう方向で協議を進めており、資金確保にしゃにむになっている。

敦賀2号機直下に「活断層」

   原子力専門の発電会社である日本原電ににわかに注目が集まったのは、国の原子力規制委員会が1月下旬、敦賀2号機直下の断層について「活断層の可能性が高い」との判断を示したことがきっかけだ。規制委は今年夏までにまとめる原発の新安全基準で、活断層の真上に原子炉を設置することを認めない方針を示している。仮に廃炉となれば1000億円以上といわれる多額の損失処理を迫られるだけに、同社は規制委の判断に猛烈な反論を繰り広げている。

   しかし、規制委の側は仮に日本原電から行政訴訟を起こされても、「十分に反論できる科学的な論拠を積み上げる」方針で、旗色は悪い。同社の敦賀1号機も運転開始から約43年経ち、想定耐用年数の40年を超過。東海第2原発(茨城県東海村)も地元村長などが廃炉を求めている。同社初の原発である東海原発はすでに運転を止めて廃炉に向けた作業が進んでおり、運転可能な3基がいずれも再稼働を全く見通せない事態に追い込まれているのだ。

   同社の主な収入源は、大手電力5社から得られる電気料金だ。電気料金には供給電力量に基づく従量料金と、供給量にかかわらず受け取れる基本料金収入があるため、電気を一切売っていない今でも基本料金で年間1000億円超の売上高がある。保有する原発3基がいずれも止まっているのに存続できるのはそのためだが、ここにきて「民間金融機関側が経営の先行きに不安を募らせている」(金融機関幹部)のだという。

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