グーグルとサムスン「蜜月」いつまで 独自OS開発で「アンドロイド離脱」狙う?

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   スマートフォン(スマホ)市場では、米アップルと韓国サムスン電子の2強時代が続く。アップルが自前の基本ソフト(OS)による「アイフォーン(iPhone)」という大ヒット製品を生み出した一方、サムスンは米グーグルと組み、「アンドロイド」OSを積んだ「ギャラクシー」で勝負する。

   盤石と見られていたサムスン・グーグル連合だが、徐々に足並みの乱れが指摘され始めた。強力タッグがある日、最大の敵同士になるかもしれない。

モトローラ買収はサムスンに対する「保険」

「ギャラクシー」だけでなく「Tizenスマホ」も登場予定
「ギャラクシー」だけでなく「Tizenスマホ」も登場予定

   サムスンはグーグルにとって、アンドロイド搭載スマホを最も売り上げる最高のパートナーと言える。米調査会社IDCが2013年1月24日に発表した2012年の世界のスマホ出荷台数とメーカー別市場シェアをみると、サムスンが2億1580万台で首位に立ち、シェアは30.3%に上った。ライバルのアップルは2位に甘んじ、シェアも19.1%にとどまった。また「アンドロイド陣営」の2番手は台湾HTCだが、そのシェアは4.6%。サムスンの存在感が際立つ。

   二人三脚でアップルに対抗するが、その関係がどこまで強固かについてはこれまでも疑問が投げかけられてきた。米ウォールストリートジャーナル(WSJ)電子版は2013年2月25日、「サムスンがグーグルの不安をかきたてる」と題した記事を掲載した。グーグルは2012年、携帯メーカーのモトローラ・モビリティ買収を完了した。記事ではグーグルのアンドロイド部門責任者、アンディ・ルービン氏がこの買収について「アンドロイド事業での影響力が増大し過ぎたサムスンのようなメーカーに対しての『保険』のような役割を果たす」と発言したと、「事情に詳しい人物」の話として紹介している。

   サムスンの強大化を恐れる理由が、これまでより多い「分け前」を要求してくるのではないかという心配だとWSJはみる。サムスンはこれまで、オンライン広告収入の10%を受け取ってきた。グーグルが地図アプリや動画投稿サイト「ユーチューブ」で収益を増大させているため、「もっと払ってほしい」とサインを送ってきているというのだ。ただしこれも「関係筋」の情報となっている。

   万一、両社が決別するとなれば、グーグルは傘下のモトローラでアンドロイド事業の継続を図ることになるだろう。アップル同様、OSとハード両方を自前で手掛けるわけだが、これはアンドロイド搭載端末を製造する他のメーカーとの関係が疎遠になる恐れがあると、WSJはその危うさを懸念している。

   後日、グーグルのパトリック・ピシェット最高財務責任者(CFO)は投資家向け会議に出席した際、WSJの記事内容に言及。「ジャーナリストは新聞を売るために派手な見出しを好む」と、サムスンとの「不仲説」を一蹴したそうだ。

新OS「Tizen」はサムスンが旗振り役

   一方のサムスンにも、グーグル離れを予感させる動きがなくはない。気になるのが、新OS「タイゼン(Tizen)」の開発だ。サムスンや米インテルが旗振り役となり、中国ファーウェイ(華為技術)や富士通といったメーカーのほか、NTTドコモや韓国KTなど通信キャリアも参加する。

   今日、スマホのOS市場はiPhoneの「iOS」とアンドロイドが他を圧倒する。新規参入するTizenが対抗軸になり得るかは注目だが、それとは別にアンドロイド陣営トップのサムスン自ら開発を主導しているのが興味深い。米ブルームバーグ3月15日付記事によると、サムスン電子副社長の李英熙氏はTizen搭載のスマホを今年8、9月に発表し、しかも高位機種になると明かしたという。ギャラクシーだけにとどまらず、グーグルの「縛り」を受けないTizenでもスマホ市場で勢力を拡大しようと狙う。

   5月28日付の日本経済新聞朝刊では、サムスンが「アップルがつくったOS、スマホ、コンテンツ配信が結合した生態系を越えるモデルをつくる」のが目標だと報じられた。折しもアップルの「iPhone5」は、これまでのモデルと比べて売れ行きが伸び悩んでいるとの指摘がある。「アンドロイド依存度」を下げてTizenに移行するタイミングを見計らい、アップル超えを果たす好機と見るや一気にアクセルを踏み込む可能性はある。

   とは言え現状ではアップルが両社共通の「強敵」であり、サムスン自身がアップルと長期にわたって係争中。今すぐにアンドロイド陣営から完全離脱するのは現実的とは言えない。日経の記事ではサムスン幹部のひとりから「今後はもう少しグーグルと緊密に協力していく」との本音が漏れた、と書かれている。当面は2社とも「蜜月ぶり」のアピールを続けるだろうが、市場の変化によってはいつか「別れの時」が来るかもしれない。

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