原発廃炉の損失処理、制度見直しへ 「特別扱い」に批判の声も

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   経済産業省は、原発の廃炉に伴い電力会社が損失処理をしやすくする方針を打ち出した。6月4日、制度の見直しを議論する有識者会議を月内に発足させると発表、その議論を踏まえ秋をめどに具体策を決定する。原発の廃炉を促す環境づくりを図るものだが、会計原則に反するだけに、特別扱いへの批判も根強い。また、最終的な廃炉費用の負担が消費者に転嫁されるのに変わりはなく、国の責任で廃炉を進めるべきだとの声もあり、議論は難航も予想される。

40年かけて廃炉費用を積み立てるルール

   国内50基の原発のうち、廃炉にもっとも近いとされるのが、日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県)。原子力規制委員会は同機の原子炉建屋直下に活断層があると断定し、廃炉の公算が大きくなっている。同機は1987年の営業運転開始から26年しかたっておらず、廃炉のための費用を十分に積み立てていない。規制委が7月から適用する厳しい安全規制で、同機以外にも、原発再稼働には地震や津波対策などのため多大な費用が見込まれる。

   原発の廃炉の目安になる年数は40年。現在、電力会社は40年かけて廃炉費用を積み立てるルールになっている。このため、敦賀2号機のように、想定より早く廃炉を決める場合、その時点で巨額の損失を一気に計上しなければいけないのが会計の大原則。(1)積み立て不足の穴埋めに加え、(2)資産として計上して帳簿に載っている原発や核燃料の価値がゼロになるので、その分を「特別損失」として処理しなければならない――ということになる。

   こうした積み立て不足や損失は原発1基あたり数百億~1000億円超にもなるとみられ、経産省の試算では、国内の原発全50基をすぐに廃炉にすると計4兆4664億円の損失が出て、北海道、東北、東京、北陸、九州、日本原電の6社は資産を売っても借金を返しきれない「債務超過」に陥る。だから、電力会社は決断をためらい、廃炉が進まないというのが経産省の見立てだ。

年度内に必要な省令改正を実施したい考え

   有識者会議では、(1)について積み立て不足を複数年度に分割して積み立てられるようにする、(2)に関しては廃炉作業時も稼働する冷却設備など一部の資産を「廃炉に必要な資産」として価値を認め、減価償却を続けられるようにする――などの案を軸に検討すると見られる。経産省は有識者会議の報告書を受け、年度内に必要な省令改正を実施したい考えだ。

   確かに、経産省の思惑通り進めば、「損失の一括計上リスクが無くなり、各社は廃炉の是非を判断しやすくなる」(エコノミスト)のは疑いない。だが、収益を生まない設備は企業にとって価値はないのだから損失処理するというのが会計の原則であり、会計士ら専門家は、電力業界にだけ例外を認めることに懐疑的だ。

   ただ、電力会社にすれば、もともと決まっていたルール(40年積み立て)に従ってやってきて、急にルールが替えられたようなもので、「土俵が途中で変えられるのだから、例外的な対応は当然」(電力業界筋)という理屈になる。

   より根本的には、廃炉費用の負担をどうしていくのか、という問題がある。会計処理の話は、どのように費用や損失を多年度にならし、単年度の負担を分散するかという、ある意味でテクニカルな話。廃炉費用の金額そのものが、会計処理で変わるわけではない。これを一度に特別損失で処理したら電気料金に反映されないが、翌年度以降も費用として処理していく場合は料金に上乗せされ、その場合、廃炉費用を計上する期間の長短で、料金の上乗せ幅が変わってくるという具合に、消費者に影響してくる。廃炉しない原発の再稼働の行方も、電力会社の収益に直結し、廃炉費用を負担する財務力を左右する。そもそも、国が廃炉に責任を持つべきだとして、税金の投入を求める声も電力業界にある。

   廃炉費用を何年間かにならしつつ、原発再稼働で火力発電依存を減らして電力会社の収益を改善し、税金投入は極力回避する、というのが経産省が描くシナリオだが、原発再稼働を含め、想定通りに事が運ぶかは未知数だ。

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