失われていく震災前の記憶 まだ続く解体作業【福島・いわき発】

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   わが生活圏の風景が少しずつ変化している。通りにある家の周りにパイプで足場が組まれ、防塵シートが張られた(=写真)と思ったら、たちまち解体されて更地になった。何軒か先の家も、日をおかずに解体された。


   いわき市はあの日、沿岸部で多くの人命が失われた。内陸部でもかなりの建物が被災した。最新の統計によると、市内の死者は441人、建物被害は全壊7917棟、大規模半壊7277棟、半壊2万5255棟、一部損壊5万80棟に及ぶ。


   被災者の生活再建を支援する制度の一つに「損壊家屋等解体撤去事業」がある。「半壊」以上の判定を受けた家屋などについて、いわき市が所有者の申請に基づき解体・撤去を行う。近所の家もその制度を利用したのだろう。「災害復旧工事 基礎解体撤去工事中」の看板が立った。


   いつも行き来する通りだからこそ、新しくできた更地にはまだそこにあった家の記憶を重ねられる。が、それもやがて更地になじみ、新しい家が立てば前の家の記憶は失われる。


   わが家の庭の離れがそうだ。母屋と、離れの物置が「半壊」の判定を受けたので、被災した年の暮れに物置の解体撤去を申請し、8カ月後に業者が来て解体した。今では前からそこに空き地があったような感覚になっている。


   母屋は1年以上前に応急修理の手続きを取った。旧知の大工氏が忙しいのでそのままにしておいたら、先日、「災害救助法に基づく住宅の応急修理制度の手続きについて(お知らせ)」というハガキが届いた。修理見積書の提出期限は6月28日、工事完了報告書は9月30日だという。災害救助にも締め切りがある。更地の感慨にふけっているヒマはない。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
■ブログ http://iwakiland.blogspot.com/

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