東証、大証の現物株取引を東証に一本化 グローバル競争への一歩になるか

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   日本取引所グループ傘下の東京証券取引所と大阪証券取引所は2013年7月16日、現物株の取引を東証に一本化し、売買システムを統合した。「大証1部、2部」が廃止され、単独上場を含めた大証銘柄をすべて東証の所属とする。

   大証は「日経平均先物」のようなデリバティブ(金融派生商品)の市場運営に専念し、14年3月には東証のデリバティブ部門を大証に移管。東証は売買代金世界3位の株式市場としてグローバル競争に挑む条件が一つ整ったが、成長企業の新規上場や海外企業の上場誘致など、活性化に向けた課題も多い。

東証の上場企業数は世界7位から3位に浮上

   大証の現物株取引を集約することで、東証の上場企業数は世界7位から3位に浮上し、3423社になる。大証銘柄は旧東証と重複上場しているケースも多いが、大証が運営する新興市場「大証ジャスダック」がごっそり東証の運営になって「東証ジャスダック」になることで、上場企業数が実数で1100社増えるというわけだ。

   しかし上場企業数が増えるとは言っても、もともと日本取引所グループという同じ会社の中での市場統合なので、グループとしての上場企業数が変わるわけではない。それでも、従来から「犬猿の仲」(東証関係者)として別々の売買システム上で運営されていた現物株、デリバティブの市場をともに一本化することで、約85億円のコスト削減が可能になる。これこそが、かつての東証と大証が13年1月に経営統合し日本取引所グループを形成した理由の眼目だ。取引所運営にとって最もお金がかかるシステムというインフラを統合する一方、余ったお金でシステムの高速化、安定化などを図る。さらにはそうした余資を、海外企業を含む新規上場の支援などにあて、市場の活性化を図る、というのも狙いだ。

ピーク時に120社以上が上場した海外企業が現状10社

   そういう意味では13年1月の日本取引所グループ発足に続き、実際の運営上の統合で第一歩を踏み出したところに過ぎない、とも言える。

   また、上場企業数世界3位と言っても、東証より上位の1、2位はインド・ムンバイとカナダ・トロント。どちらも世界の株取引で中心的な地位にあるわけではない。このため、「質を伴わなければ数の多さはどうでもいい」(国内系証券幹部)との冷ややかな声もある。

   市場として重要なのは、取引が活発かどうかを示す日々の「売買代金」で、これも一応、世界3位をキープしている。しかし、ニューヨーク証券取引所が所属する首位の「NYSEユーロネクスト」に比べれば4分の1程度で、背後には上海などアジア勢が迫っている。というよりも、2009年、2010年と上海は東証を抜いて3位に躍り出た実績があり、いつ再び抜かれても不思議ではない。株価に株式数をかけた上場企業の時価総額の合計でも東証は世界3位だが、これも首位のNYSEユーロネクストの4分の1程度で、上海や香港が迫る構図は売買代金と同じだ。

   東証が市場を活性化させ、今後の成長が見込まれるアジアのライバルと戦っていくためには、ピーク時に120社以上が上場した海外企業が現状10社に過ぎない状況の改善が求められる。そのためには「資金調達したい」と思わせるような、コストが安く、使いやすいインフラに変えていく必要がある。かつては年間100社以上が当たり前だった新規の株式公開もリーマン・ショック以降はふたケタの低迷が続いており、証券会社とともに「掘り起こし」を進めることも求められている。

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