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「体調が悪いので休む」、6割の上司は信じない 3割はSNS更新をチェックしていた

   「今日、体調が悪いので休みます」――こんな電話を上司にしたことがある人は少なくないだろう。

   ところが、電話を受けた上司の10人に6人はこの言葉を信じないというイギリスの調査結果が明らかになった。

日本では「日頃の行動による」

   イギリスの健康ケアサービス「Benenden Health」は雇用者1000人と従業員1000人に対してアンケート調査をおこない、従業員が会社を休むときの「言い訳」の実態を調査した。それによると6割の上司が、部下から当日急に「体調が悪いので休みたい」と電話を受けても、それを信じないとこたえた。さらに3割が病欠の電話を受けた後に部下のソーシャルメディアが更新されていないかチェックするという。

   また、疑いを持つきっかけについては、4人に1人が電話口の声の様子から本当に具合が悪そうかあるいは言い訳に説得力があるかを探り、その日の天気が良かったり前日にピンピンしていたりといった要素があると「怪しい」と思う――としている。

   結構恐ろしい話だが、日本でも同じことが言えるのだろうか。問題社員対応に詳しい「黒い社労士」こと野崎大輔氏によると、休みの連絡を疑うかどうかについては「(上司は)日頃の行動を見ていて、それによると思うんですよね」という。

「普段から一生懸命やっている人なら信じるだろうし、いつもサボり気味の奴からギリギリの時間に電話きたら『絶対寝坊だろ』と思うでしょう」

   ソーシャルメディアをチェックするかについては、「そこまで関心ないのが現実です。30代から40代の人なら『あいつ怪しいなー』って見るかもしれないですけど、50代から60代はfacebookとか使いこなせないと思いますし」といい、日本の場合は当てはまらないのではとの見方を示した。

絶対、電話で連絡するのがルール

   イギリスの調査では、どうにかして休みたいばかりに従業員がひねり出した奇妙な言い訳もリストアップされている。いくつか例を挙げると以下のようだ。

「酔っ払ったまま誰かの家で寝てしまい、今どこにいるのか分からない」
「お母さんがまた死んだ」(この人物から母死去の電話を受けるのは2度目)
「トースターで自分の手を焼いてしまった」
「ドアが壊れて家から出られなかった」
「彼女にアソコを噛まれた」
「ズボンが破けた」
「鼻がつまった」

   こうした策が有効なのかは不明だが、同調査では食あたりやウィルス感染、腹痛といった理由は比較的信じられやすい傾向にあるとしている。なお、野崎氏によると日本の会社で休みの理由がウソだとバレても、会社にできるのは注意して記録をとることくらいだそうだ。

   ちなみに、野崎氏はもし仮に自分が「ズル休み」をしたい時には、前日から「頭痛い」などと具合が悪い様子を触れ込んでおいて、徹底的に「仮病」をつくりこむだろうという。

「『あいつサボりだな』って思っても思われても、お互い不快じゃないですか。だからできるだけ本当らしく、サボリだと見えないようにする。それがマナーだと思います。あとは絶対、電話で連絡するのがルールですよ。メールで済ます人もいるけど」

   イギリスの調査結果でも、上司の6割は連絡が電話だった場合には、その内容により信憑性を感じると回答している。

   もちろん事前に休みを取りたい日をきちんと連絡をしておくことがベストだ、とも野崎氏は釘を差していた。

   ただ、どんな言い訳しても、怪しいと思われれば、昇給などを決める「人事考課」に響くことにはなりそうだ。