加藤コミッショナー、突然の辞任 「飛ぶボール」問題の報告書待たずに「丸投げ」

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   「飛ぶボール騒動」を引き起こしたプロ野球の加藤良三コミッショナーが問題解決を放り出して球界を去ることになった。2013年9月19日のオーナー会議で辞意を表明。その無責任さに関係者はあ然としている。

「飛ぶボール」に関する責任は認めても……

   10月中に辞めるのだそうである。オーナー会議という球界最高の場で態度を明らかにすることで、官僚出身のプライドを保ったのだろう。加藤コミッショナーの話は練りに練った内容だった。

   「ボール問題で騒がせた」とようやく責任を認めたが、この時期の辞任表明についてはオリンピックを材料に使った。2020年の東京開催が決まったことで、スポーツ界には追い風が吹いている。野球界もそれに乗るべく、「新しい体制が望ましいと考えた」と付け加えた。

   一方、自らの音頭で立ち上げた飛ぶボール問題の調査を委嘱された第三者委員会の調査結果が、今月下旬に報告書として出ることになっている。その前に辞めることを明らかにするのだから、無責任といわれても仕方ないだろう。

   つまり、自分の責任において問題を解決しない、ということで、あとは皆さんでお好きなように、というわけである。飛ぶボールにサインした当事者が逃げてしまったら、どうやって結論を出すというのか。

   プロ野球にとって9月-10月は優勝が決まるペナントレースのもっとも大事な時期。さらに日本シリーズなどポストシーズンが控えている。そんなときに最高責任者がいなくなる。オーナーを含め球界上層部はおかしい。

   加藤コミッショナーが突然、辞意を表明した大きな理由に、シーズン本塁打55本の記録が塗り替えられたことがある、という見方が多い。それは当たっているだろう。ヤクルトのバレンティンが王らの記録を抜いたもので、関係者の間では「飛ぶボールのため」との見方が多い。問題の飛ぶボールは今シーズンが始まってから発覚したものだから、どうしても記録更新と結びつけられてしまう。すでに批判が起きていたし、シーズン終了後にコミッショナーが批判を浴びるのは避けられなかった。それから逃げるため、本来は居座りのために組織した第三者委員会の結論を待たずに辞めると言い出したのだろう。そう見られても仕方がないと思う。

選手会からも三行半を突きつけられ

   「私は野球通」と大見得を切って就任した加藤コミッショナー。それがボールという技術者の聖域に手を突っ込んだ。駐米大使だったからか、何事にも米国に並びたいとの思いが強かった。

   たとえばWBC参加も選手会そっちのけで参加を決めて大モメになったことは記憶に新しい。巨人-阪神を米国で開幕試合を、などとぶち上げ、選手会から「何を考えているのか」と相手にもされなかった。そしてボール問題の体たらくである。

   選手会から「辞任しろ」と突きつけられる前代未聞の事態にまで発展。この日の辞任表明を受けて嶋選手会長は「次のコミッショナーは球界を良くする方向に導いてくれる方を選んでほしい」とコメントを出した。加藤コミッショナーは役立たずだった、と聞こえる内容だが、これはコミッショナーだけでなくオーナーに対しても、しっかりしてくれよ、とボールを投げたというべきだろう。

   コミッショナーは2代続けて任期半ばでの退場である。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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