「iPhone5s競争」序盤はKDDI好調 「つながりやすさ」が格段にアップ

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   国内通信大手3社が米アップルの新型アイフォーン(iPhone)を発売してから、半月余りが経過した。契約数の増減を見る限り、初めてiPhoneを販売するNTTドコモは、効果がまだ出ていない。一方で好調な滑り出しを見せたのがKDDI(au)だ。

   田中孝司社長は、新モデル「iPhone5s」「5c」が「プラチナバンド」と呼ばれる800メガヘルツ(MHz)帯に対応することで、発売前から「つながりやすさ」に相当の自信を見せていた。

「iPhone5」では対応しなかった800MHz帯

「iPhone5s」では「つながりやすさ」で勝負するKDDI
「iPhone5s」では「つながりやすさ」で勝負するKDDI

   携帯各社が2013年10月7日に発表した9月の携帯電話契約者数は、ソフトバンクモバイル(SBM)が27万700件、KDDIが23万2700件とそれぞれ純増を記録、ドコモは6万6800件の純減となった。また番号持ち運び制度(MNP)の利用件数は、KDDIが11万800件の転入超過でトップだった。10万件を超えるのは6か月ぶりで、2位のSBMの2万2700件を大きく上回った。

   田中社長はMNPの数字に関して、ドコモやSBMからの転入があったとして「非常にいい結果」と述べた。3社が一斉に新型iPhoneを発売したのは9月20日で、その効果は9月の統計では限定的かもしれない。ただ一方でKDDIは、旧モデル「iPhone5」の在庫処分で積極的にキャンペーンを張り、キャッシュバックなどの特典で契約数を伸ばしたようだ。いずれにしろ、新モデル発売を機に攻勢をかけているのは間違いない。

   KDDIはiPhone5sと5cを、従来機とは異なる「800MHz帯」の周波数帯で利用できるのを強みとする。田中社長は9月11日付の「週刊アスキーPLUS」で、「800MHzサポートがうれしくて。ホント、我慢して準備してきた甲斐がありましたよ」と語っていた。2年前から、高速通信規格「LTE」での接続を準備してきたが、2012年発売のiPhone5は800MHzに対応しなかったため、別の周波数帯を使わざるを得なかった。今回は、いわゆる「つながりやすさ」が格段にアップしたことになる。

   「確かに、接続環境は快適になりました」と話すのは、青森公立大学経営経済学部准教授の木暮祐一氏だ。実際に3社の新型iPhoneを使って比較したところ、つながりやすさやLTEがカバーする領域の広さで、KDDIが一歩リードしている印象だという。これまでiPhone5ではLTE接続できなかった場所や移動中でも、「5s」「5c」ではすぐにつながると実感しているそうだ。

今は「すいている」周波数帯が混雑したら問題が…

   800MHzの周波数帯は、新型iPhoneのために「取っておいた」と田中社長は明かす。LTE向けに帯域を割いたことで、つながりやすさを実現した。2013年度中には、同社が定義する実人口カバー率で99%を達成すると意気込む。

   iPhone5では、75Mbpsという高速接続が可能な地域を、実際は実人口カバー率14%にとどまっているのに「96%」と誇大に広告、またネットワーク全体でも電波が届いていても接続できない「パケ詰まり」を指摘されたり、大規模な通信障害が発生したりして信頼を落としていた。「5s」「5c」では「つながりやすいLTE」で信頼を回復し、競争から抜け出したいところだ。

   「プラチナバンド」を持っているのはドコモもSBMも同じだ。田中社長は「週刊アスキーPLUS」の取材に、両社ともLTE対応は2.1ギガヘルツ(GHz)という別の周波数帯が中心で、ドコモが持つ800MHz帯は「そのほとんどを3G回線に割り振って」いると指摘。SBMの場合900MHz帯の利用は「まだこれから」だ。この帯域でのLTEはKDDIが優勢だとばかりに、胸を張る。

   木暮氏は、「今はKDDIの800MHz帯は『すいている』ので、iPhone5sのLTE接続が快適です」と話す。ただ「今後ユーザーが増えると帯域が混雑して、現在のようなスムーズな接続が実現できなくなる恐れがあります。その際にKDDIがしっかり対応できるかが重要でしょう」。今回「つながりやすさ」を大々的にアピールしているだけに、利用者は今後も、現状の接続環境が維持されるはずと想定しているだろう。KDDIとしては当然契約数を伸ばしたい、だがそうすればネットワークへの負荷が増え、気の抜けない事態が続くようになる。

   800MHz帯の大部分をLTEに割り振った点も、木暮氏は少々心配する。田中社長が述べたとおりSBMやドコモは、プラチナバンドを3G用に大きく割いている。スマートフォンでは、LTE接続でも音声通話の際には3Gに切り替わる。もともとLTEはデータ通信専用なので、場合によってはKDDIのiPhone5sで通話ができない事態が生じるのでは、との指摘だ。通話は電話機の基本機能だけに、障害が発生すればまたも信用問題に発展するかもしれない。

   「5s」は米アップルが出荷台数を絞っているとの報道もあり、各社とも品薄のようだ。序盤は出遅れた感のあるドコモも、「都心などでLTE接続の改善を急ピッチで進めている」(木暮氏)。端末の供給が潤沢になり、ライバルたちがネットワーク環境を整備してきてもKDDIはリードを保てるか、勝負はむしろこれからが本番だ。

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