2024年 3月 29日 (金)

ヤンキース、マー君獲得に本気? スーパースターの渡米で、また日本球界の火が消える

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   マーくん、ヤンキース入りか――。米国のマスコミは楽天・田中将大の話題で持ちきりだという。まさに今が全盛の投手。間もなく大リーグ球団からの本格的なアプローチがはじまるだろう。日本球界、さあ、どうする?

FAされるより、ポスティングで渡米してもらうのが楽天にとってもベター

   田中のシーズン24勝無敗は、米球界でも「奇跡の出来事」と見られている。10月に入って間もなく、ヤンキースが強い関心を持っている、とニューヨークで報じられた。

   今シーズンのヤンキースはプレーオフに進出することができなかった。主力選手の高齢化と故障、スキャンダルなどが入り乱れた結果だった。4番打者のロドリゲスは薬物使用問題などで役に立たなかっし、リーダーのジーターは相次ぐ故障に泣いた。

   さらに悩ましいのは投手陣で、主要先発のペティット、クローザーのリベラが引退。頑張った黒田は夏が終わると息切れした。来年は文字通り「お先真っ暗」の状態なのだ。チーム立て直しに必死なのである。田中に目を付けたのは当然のことだ。

   田中が来年、大リーグに行くにはポスティング(入札)システムを利用することになる。ヤンキースは毎年、ぜいたく税を球界に払っている超優良企業。かつて西武の松坂がレッドソックスに入ったとき、120億円(西武に60億円)といわれる大金が動いたという。ヤンキースが田中を獲得する気になればそれ以上の金額ははずむだろう。

   問題は田中次第なのだが、田中が大リーグで投げたい気持ちを持っていることは周知の事実。今年の成績は、もっとも高い評価を受けるものだし、それこそ言い値で移籍できる。二度とない大金を得るチャンスである。

   今季の田中の年俸は4億円。楽天に残るとすれば、年俸は最低倍額だろう。大リーグ球団なら20億円ぐらい出すだろうし、ヤンキースなら30億円も容易に想像できる。

   楽天は微妙な立場に置かれることになる。田中がFA宣言して他球団に移られたら、年俸分は浮くけれども、入札金は入らない。ビジネスで考えれば、ポスティングで海を渡ってもらうのが最良の道だ。

   つまり、松坂のときの西武、さらにダルビッシュ有(レンジャース)で商売をした日本ハムに倣う可能性がある。田中のことだから大リーグ行きをほのめかして年俸アップを図ることはしないだろう。大リーグ球団と日本の球団の条件では勝負にならない。

   もし、田中が去った後の日本球界はどうなるのか。火の消えたような状況になるかもしれない。日本人選手のスーパースターは今や貴重である。10勝でエースのような顔をしている投手たち、4番打者が入れ替わり立ち替わりの打者たち。勝率5割に満たないチームがクライマックスシリーズに出場するシステム、勝手に飛ぶボールにすり替える体質……。

   そんな球界をスーパーマンのごとき活躍で救ってきた田中がいなくなることを思うと、ゾッとする。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 斎)

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