2024年 4月 25日 (木)

ドトールなど「昔ながらの」コーヒー店展開 軽食で客単価アップ、「ゆっくり」でシニアに照準

   ドトール・日レスホールディングス(HD)は、接客を重視するフルサービス型のコーヒー店「星乃珈琲店」をフランチャイズ展開する。

   これまで都市型のセルフ店「ドトールコーヒー」で売り上げを伸ばしてきたが、競合他社がひしめく中で、「セルフ店」の業績が頭打ちになってきた。ゆっくり落ち着けて、コーヒーとともに軽食も提供する、「昔ながらの喫茶店スタイル」で収益拡大を図る。

「星乃珈琲店」客単価は1000円

「星乃珈琲店」は「ドトールコーヒー」と「日本レストランシステム」のノウハウを集結した(画像は、「星乃珈琲店」のホームページ)
「星乃珈琲店」は「ドトールコーヒー」と「日本レストランシステム」のノウハウを集結した(画像は、「星乃珈琲店」のホームページ)

   ドトール・日レスHDの第2四半期(2013年3~8月期)連結決算によると、売上高は前年同期比5.7%増の580億円、営業利益27.0%増の49億円だった。

   傘下のドトールコーヒーの業績は、コンビニエンスストア向けコーヒー飲料などの卸売り事業が伸びたほか、コーヒー豆相場の下落で円安にもかかわらず豆の調達コストが低下したことで収益増となった。

   ただ、チェーン店の売上げはいま一つ。ドトールコーヒーによると、チェーン店(「ドトールコーヒー」と「エクセルシオール」)の2013年10月の売り上げ(既存店ベース)は前年に比べて1.4%減。客数も2.3%減った。

   同社は前年に比べて全国的に気温が低くかったことや大型台風の影響もあって客数が減ったことが要因とみている。エクセルシオールでは9月に投入した新メニューが奏功して客単価が上昇するなど、「成果が出始めている」という。

   ただ、この1年で売り上げが前年実績を上回ったのは3~5月の3か月だけと思わしくない。

   そうした中で、業績を押し上げたのが郊外型の高級コーヒー店「星乃珈琲店」だ。シニア層を照準に、傘下の日本レストランシステムが不採算店を業態転換して出店し始め、じわじわと人気が高まっている。

   「星乃ブレンドコーヒー」は400円とドトールコーヒーの2倍だが、内装は落ち着いた木目調で統一。アンティーク調のソファや照明が置かれ、テーブルに店員がやってきて注文をとる、「懐かしい喫茶店の雰囲気」を演出する。

   モーニングセットが500~600円程度、ランチメニューは1000円程度で、窯焼きスフレパンケーキやスフレドリアなど軽食も用意している。

   売上高は22億円。直営店売り上げの構成比はまだ6.5%(ドトールコーヒーは62億円、18.4%)と少ないが、客単価が約1000円と高く、全体の利益を押し上げた。

   「星乃珈琲店」は8月末時点で、全国に61か店を展開。いずれも直営店だが、今後はフランチャイズチェーン店の展開を進め店舗網を広げていく。

コメダ珈琲店は都心部にも進出

   「非セルフ」のコーヒー店で先行しているのが、名古屋を中心に全国展開している「コメダ珈琲店」。焼きたてのデニッシュの上にソフトクリームとたっぷりのシロップがかけられた「シロノワール」が定番メニューで、首都圏などでも浸透し始めた。

   自由に読める雑誌や新聞が店内に置かれ、席はテーブルごとに仕切りがありソファでゆったり滞在できるのが特徴だ。1000店舗を超すチェーン店を展開するドトールコーヒーやスターバックスコーヒーには及ばないが、2013年8月現在で516か店を展開する。

   これまでは郊外型で、ファミリーレストランと喫茶店の中間的な存在だったが、最近は都市部にも進出している。

   都心で飽和状態になりつつある「セルフ型」は客単価の引き上げが課題なだけに、「非セルフ」の高級コーヒー店の「勢い」に無関心ではいられないようだ。

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