2024年 4月 25日 (木)

ジャンボジェットが伊丹に8年ぶり飛来 3月末に退役控え「里帰り」フライト

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   「ジャンボジェット」の愛称で親しまれてきたボーイング747型機が2014年1月12日、大阪(伊丹)空港に「ラストフライト」した。高度経済成長の象徴のひとつでもあった747は、2011年には日本航空(JAL)が全機を退役させており、全日空(ANA)からも14年3月いっぱいで姿を消す。これで、国内旅客航空会社の保有はゼロになる。

   本来ならば747は伊丹空港に乗り入れることができないが、退役を直前に控えた「里帰り」として特別に実現した。747が伊丹空港に飛んでくるのはこれが最後だとみられ、沿道には多くの航空ファンが集まった。

今は2機が羽田と札幌、沖縄を結ぶのみ

見学会では「やっぱりジャンボは大きいね」という声がもれていた
見学会では「やっぱりジャンボは大きいね」という声がもれていた

   伊丹空港は市街地に近く、航空機の騒音問題に悩まされてきた。その対策の一環として、06年3月を最後に、747を含むエンジンが3つ以上ついている飛行機の乗り入れができなくなった。今回のイベントは、退役を前に「地域住民に感謝の気持ちを伝えたい」と、伊丹空港で勤務するANAのグループ会社社員が企画。周辺自治体や空港運営会社の協力を得て特別に乗り入れが認められることになった。747が伊丹に飛来するのは8年ぶり。

   ANAは1979年に747を初めて導入し、現行の747-400型機は1990年に導入。最も多い時(1998~99年)で39機を保有したが、今は2機が東京(羽田)-札幌(新千歳)、沖縄(那覇)を結ぶのみだ。

   747は1970年に米国で運用が始まり、従来機の約2倍の客数があることから世界の空の大量輸送時代をけん引した。これまでに1500機以上生産されてきたが、近年、燃費が良く航続距離も長い中型機が主流となってきたことから、世界的にリタイアの流れとなっている。

倍率20倍の遊覧飛行では離陸、富士山、着陸で拍手

富士山上空では大きな歓声が上がっていた
富士山上空では大きな歓声が上がっていた

   この日のイベントでは、地域住民を招いて格納庫での見学会や遊覧飛行が行われた。遊覧飛行に、伊丹空港周辺の5市(池田市・伊丹市・川西市・宝塚市・豊中市)から抽選で選ばれた200組・400人が搭乗。応募は3990通もあったといい、倍率は実に20倍だ。

   フライトは約1時間半で、知多半島や浜名湖の上空を通過し、房総半島付近で折り返した。通常、羽田-伊丹便は高度28000フィート(約8500メートル)で飛ぶが、今回は20000フィート(6100メートル)で飛行。富士山付近では15000フィート(4570メートル)まで高度を下げ、普段よりも近くに見える富士山に歓声があがった。富士山以外にも、離陸や着陸など、イベントごとに大きな拍手が起こっていた。

   機長で川西市出身の井上勝喜さん(48)は、フライト後のイベントで

「23年のパイロット人生の中で15年間ジャンボを操縦してきた。私の人生の中では『ジャンボに飛ばせていただいた』という感じ」

と話し、感慨深げだった。神戸出身で副操縦士を担当した山本烈士(あつし)さん(43)は、

「井上キャプテンとはここ1年間で数回しか飛んでいないが、一緒に飛ぶと大雪で離陸できなくなってしまったり、色々な故障があって飛行機が2時間以上遅れたり…。どの(フライトの)ときも遅れるということで社内では『混ぜるな危険』と言われている。そういった2人を、最後の大きなイベントに呼ぶANA心の大きさにびっくり」

と冗談を交えながら観客をわかせていた。

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