「量的金融緩和策の出口」をどうするのか 日銀政策決定会に見る「市場との対話」の難しさ

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   日銀は2014年1月30日、2003年7~12月に開いた金融政策決定会合の議事録を公表した。2003年といえば、前半には、りそな銀行が実質国有化されたことで、金融不安はひとまず解消に向かった一方、年後半にかけて景気回復への期待から「日銀が実施中の量的金融緩和を解除するのではないか」との思惑が市場で台頭し、長期金利が急上昇する事態になった時期だ。

   議事録からは記者会見の開き方を含め「緩和を続ける日銀として市場とどう対話するか」を話し合った様子が克明に記されている。今年から量的金融緩和縮小を進める米連邦準備制度理事会(FRB)や、今後の日銀が直面する「市場との対話の難しさ」を示唆していると言えそうだ。

「出口政策の曖昧さが相場の変動率を高めているとの見方がある」

   新規発行の10年物国債の利回りを指標とするのが長期金利。金融市場の不安が高まったり、景気が悪化したりする局面では国債は「安全資産」として買われ、長期金利は低下する。一方、景気が回復し、資金需要が高まるような場面では、国債が売られて株や不動産などリスクの高い資産に投資資金がシフトする傾向があり、結果として長期金利は上昇する。

   長期金利は2003年6月に過去最低水準の0.4%台まで低下したが、9月には1.6%台に急上昇した。「日銀が2001年3月に導入した量的金融緩和策が解除される」との期待が市場で高まり、その結論を先回りする形で長期国債が売られたためだ。

   日銀は当時、緩和策の「出口」について「消費者物価指数の前年比上昇率が安定的にゼロ%以上になるまで量的緩和を続ける」と表明していた。

   2003年後半にかけて景気回復に伴い、物価はマイナス圏からゼロをうかがう勢いだった。9月の決定会合では「出口政策の曖昧さが相場の変動率を高めているとの見方がある」(中原真審議委員=肩書は当時、以下同)、「量的緩和継続に対する本行のスタンスが問われている」(福間年勝委員)などの指摘が相次ぎ、「もう少し丁寧に説明していくことが有効」(植田和男審議委員)との機運が生まれた。長期金利上昇にヤキモキする政府の出席者からも「市場との対話に十分工夫を凝らして頂きたい」(谷口隆義・財務副大臣)と注文が付いた。

総裁記者会見を会合終了日に必ず開く、と決める

   こうした中、10月の決定会合は量的緩和策の解除条件やその説明方法が議論になった。岩田一政副総裁は「最終ゴールの下限である物価上昇率1%に到達するまで緩和を続ける」とインフレターゲット(物価目標)を用いた条件を改めて提案。中原委員も「1~2%は日銀として望ましいと考えている物価上昇率であると明示すべき」と主張した。現在の黒田日銀の異次元緩和は「2%に到達するまで緩和を続ける」としているが、当時の日銀はまだそこまで踏み切れなかった。

   半面、「物価だけの条件ではダメ」(須田美矢子審議委員)といった意見も出され、武藤敏郎副総裁は「3か月とか6か月とか具体的な数値を示すのは適切ではない」と述べた。結局、(1)数か月ならして安定的にゼロ%以上、(2)多くの委員がゼロ%を超える見通しを持ち、先行き再びマイナスにならない、(3)上記2条件を満たしても状況によっては解除しない――との3点を決めた。

   これとは別に総裁の記者会見について、政策の説明をタイムリーに尽くすため、会合終了日に必ず開くことも決めた。それまでは会合翌々日に開いたり、会合があっても会見がない場合もあったのを見直した。ただ、会合即日会見については「現状維持の場合、政策変更がないことの弁護に回らざるを得ない」(須田氏)などの慎重意見もあった。

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