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三重県交番トイレの自殺ミステリー 外側から施錠してあったのに一体なぜ?

   三重県伊賀市内の交番で署員がトイレのドアを開けたところ、首を吊った会社員男性(43)の自殺死体があった。死後3~4日が経過していた。

   この交番は署員4人が配置され、交代で通常勤務していたが、ネットでは、なぜ3~4日も死体が見つからなかったのか、署員はトイレを使わないものなのか、といった疑問が出て、話題になっている。

トイレに入る男性を見た署員は一人もいなかった

   死体が見つかったのは伊賀市の名張署青山町駅前交番のトイレ内で、腰の高さに設置された金属パイプの手すりにロープを結び、首にかけ床に座り込む形で首をつっていたという。他に外傷がないことから署は自殺とみている。男性は2014年3月16日から行方が分からなくなっていて17日に家族が捜索願を出していた。この男性は家族あてに自殺をほのめかす手紙を郵送で送っていた。

   この「事故」には不審な点が多い。一つは、いつどうやって男性が交番のトイレに侵入したか。そして、第二はなぜ3~4日も発見されなかったかだ。トイレは交番1階の玄関を入ってすぐ右手にあり、交番の執務机から見渡せる位置にある。さらにトイレは外側から施錠してあった。それなのに男性がトイレに入る姿を見た署員は一人もいなかった、というのだ。

   ネットではこんなおかしなことはありえないとし、

「殺されたんじゃないか?自殺をわざわざ交番で行う意味がわからん」
「警察官一日いて交番のトイレ使わないとかあるのか。どれだけトイレ行かないんだ」

などといった疑問や憶測が飛び交い、自殺者の侵入経路が分からないためオカルト説を唱える人まで出ている。

無人だったときに外鍵を開けて中に侵入し、内鍵を掛けた?

   名張署に話を聞いてみたところ、このトイレはこれまでも様々な厄介ごとか起きる、「曰く付き」だったそうだ。身障者が使用できるバリアフリー仕様にして市民に開放してきたが、深夜に寝泊まりする人が現れたり、酔っ払いが入ってきて吐しゃ物を撒き散らしたりした。

   その対策として外鍵を掛けるようになり、「来客用」として使用許可を出してから貸すようになった。青山町駅前交番にはトイレが合計4つあり、2階に2つ、1階は署員用と「来客用」とあるが、署員は「来客用」を使用することはないのだそうだ。

   最近はこの「来客用」トイレを使用する人は殆どいないため掃除をする必要はなく、外鍵がかかっていることを確認するに留めてきた。ただしこの外鍵は一般家庭にあるような簡単なもので、コインを差し込んで捻ると空いてしまうという。自殺者は署員がパトロール中で無人だったときに外鍵を開けて中に侵入し、内鍵を掛けたものとみられる。内鍵を掛けると外鍵がかかった状態になるため、中に人がいることに全く気が付かなかった、ということらしい。気温が低いこともあって腐臭は殆どなかったそうだ。自殺者を発見した署員は激しく驚いたそうで、今後はこうしたことが起きないように注意を怠らないようにすると話している。