地球温暖化の一因は牛の「げっぷ」 「畜牛大国」インド、中国が大量排出

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   地球温暖化をもたらすガスのひとつ「メタン」の世界の排出量について、観測衛星によるデータに基づいた推定結果が出た。日本を含むアジアが突出して多いことが分かった。

   要因のひとつが、牛だ。その「げっぷ」やし尿にメタンが含まれている。アジアには、頭数ベースで世界でも有数の「畜牛大国」が存在している。

「ワーストスリー」は「アジア独占」

メタンの排出量はアジアが断トツで多い[画像提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)]
メタンの排出量はアジアが断トツで多い[画像提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)]

   地球上のメタンの濃度を観測しているのは、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」だ。環境省、国立環境研究所(NIES)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で開発した。JAXAなどの2014年3月27日の発表によると、「いぶき」による観測データと、地上観測点における観測データとを用いて、2009年6月~11年5月の世界の月別・地域別の正味メタン収支(消失と放出の総量)を推定したという。

   年間収支量の推計では、世界を43分割(うちひとつは海洋)し、各地域別のメタン放出量を地図上で色分けした。「ワーストスリー」は、インドを含む南アジア、東南アジア、中国東部から日本にかけての東アジア、の順で「アジア独占」となった。これら地域の排出量の数値をNIESに問い合わせたところ、南アジアが年間4900万トン、東南アジアが同4700万トン、中国東部~日本が同4200万トンだという。また世界全体の年間排出量は5億1800万トンに達する。地球上で排出されるメタンの3割近くは、アジアが発生源になっている計算だ。

   発表資料によると、メタンは「水田や湿地帯、家畜、森林火災や化石燃料消費」で放出されるという。現在は人間活動が最大限の排出源だが、将来はシベリアの凍土融解や大規模な森林火災などで排出量が増大する懸念があるようだ。

   メタンは地球温暖化ガスとして、既に一定の割合を占めている。気象庁によると、最も多いのは二酸化炭素で、化石燃料由来や森林減少が原因によるものを合わせると全体の7割を超える。一方メタンも14.3%と決して無視できない数字だ。しかも温室効果は、二酸化炭素の20倍以上と言われる。

   排出量が多いアジアは、コメを主食とすることから水田が広がる地帯だ。加えて家畜、中でも牛の飼育数が多い。そのげっぷには多くのメタンが含まれ、日本で発生する温室効果ガスの0.5%を占めるとの説もある。

   アジアには、牛を家畜として飼う習慣のある国が多い。酪農や肉牛の飼育、また東南アジアでは田畑の耕作にスイギュウが主力となっている地域もある。

メタン削減の成分取り入れた飼料の開発進む

   国際連合食糧農業機関(FAO)が公表している、2012年の国・地域別畜牛頭数のデータを見ると、最も多いのはインドで2億1800万頭だ。2位がブラジル、3位に中国と続く。「億単位」に達するのはこの3か国だけで、うち2か国がアジアだ。インドは、人口の8割以上が牛を神聖な動物として大切に扱うヒンズー教徒というのも、何か関係があるのかもしれない。なお日本は417万2000頭だった。

   「たかが牛のげっぷ」と侮ると大変だ。ドイツ中部の町で2014年1月、乳牛90頭を飼育していた小屋に牛のげっぷなどから排出されたメタンがたまり、静電気が引火して爆発する騒ぎが起きたと報じられた。これほどのパワーを持つガスが、地球規模で毎日大量に排出されているのだから、環境への負荷が小さくないのは容易に想像できる。

   国内をはじめ世界各地では、牛のげっぷを減らす研究が進められている。例えば牛に与える飼料を新しく開発して、メタンを削減する成分を取り入れている。また米国は3月28日、メタンそのものの削減策の強化に乗り出した。今秋には新たな規制が設けられる可能性がある。一方で、牛のげっぷを有効活用しようと、装置を使ってメタンを貯めた後に燃料化する実験も行われているようだが、実用化には至っていない。

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