「NTT規制撤廃」でサービス向上するのか KDDI、ソフトバンクは激しく反論

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   電電公社の民営化で発足したNTTに対するさまざまな独占規制を撤廃することは、携帯電話やインターネットなどの通信サービス向上や料金引き下げにつながるのか――。

   総務省の問題意識で2014年春にスタートした検討作業が佳境に差し掛かっている。

固定電話と携帯電話の「セット割引」ができない

セット販売で競争加速?
セット販売で競争加速?

   総務相の諮問機関、情報通信審議会がこのほど開いた委員会で、当事者のNTTグループや競合他社の首脳陣がNTTに対する規制緩和について意見を述べた。

   NTTやNTTドコモは一連の規制緩和をテコに通信市場でのシェアの低下傾向に歯止めをかけたいとの考えを表明。これに対し、KDDIやソフトバンクは規制緩和によってNTTグループの競争優位に拍車がかかるとして軒並み反対意見を表明し、激しく火花を散らした。

   現在の電気通信事業法は、NTT東西やNTTドコモに対して、特定の事業者と組んでの新事業やサービスの提供や、グループ内での連携を禁止している。光回線で7割超、携帯電話で4割超のシェアを持つ同グループの競争条件を制限し、新規参入を促すことで利用者のサービス向上につなげる意図からだ。このため、KDDI(au)やソフトバンクが現在提供している固定電話と携帯電話の「セット割引」のようなサービスをNTTグループが導入することは禁止されている。

   これに不満を募らせてきたのが、固定回線の契約者数が伸び悩むNTT東西だ。NTTの篠原弘道常務は4月15日開かれた審議会で「さまざまなプレーヤーとの協力で市場を活性化させる政策へ転換を」と規制緩和を要望。KDDIやソフトバンクの攻勢を受けるドコモの吉沢和弘常務も「契約獲得競争は成熟期に入りパイの奪い合い。自動車メーカーなど異業種と組んでサービスを提供したいが規制で話が進まない」と述べ、規制撤廃が必要と訴えた。位置情報をやりとりする自動運転車の将来的な普及や、インフラの老朽化をセンサーで調べる仕組みなど通信の重要性は今後も高まる一方のため、「他社と連携できれば世界に通じるサービスを生み出せる」(吉沢常務)という主張だ。

ドコモのシェアが高まり競争が停滞する

   これに対し、KDDIは田中孝司社長、ソフトバンクも孫正義社長というトップが直々に出席。田中社長は、NTTにセット割引を認めればドコモのシェアが高まり競争が停滞するとして「(現行)規制で競争環境を確保すべきだ。グループ内の連携は論外」と主張。孫社長も「NTTグループの一体運営が認められれば、競争が働く携帯電話市場がNTTの光回線優位に引きずられる」と懸念を示した。孫社長は「NTT東西が光回線を8回線まとめてでしか貸してくれないのはおかしな話だ」とも批判し、1回線ごとに借りられるよう制度改正を求めた。

   総務省は同審議会が11月までにまとめる通信政策の見直し案を元に、来年の通常国会に関連法の改正案を出す予定。通信分野を安倍政権の成長戦略の一つに位置づけたい考えだが、通信大手の意見が激しくぶつかり合う中、どちらの主張に軍配が上がるのか。同審議会は今後、利用者などからも意見を聴視し、慎重に見極める方針だという。出席者の表情は一様に言葉以上に険しく、この先も厳しい議論になりそうだ。

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