「台北・故宮」展、冷や汗のオープン 東博館長が開会式で謝罪、総統夫人は欠席

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   東京・上野の東京国立博物館(東博)の「台北・故宮展」は予定通り、2014年6月24日から実施されることになった。

   展覧会を告知する一部のポスターに「國立」の文字が入っていないことに先週末に気づいた台湾側が猛反発、一時は展覧会の中止も取りざたされる騒ぎとなっていたが、日本側が修正に応じたことで台湾側も軟化した。

台湾側の報道陣の姿が目立つ

「國立」が追記された看板
「國立」が追記された看板

   23日に開かれた開会式で、東博の銭谷真美館長は、

「本展覧会の開催にあたり、ポスターなどにおける『台北國立故宮博物院』の名称の表記などについては、台湾の皆様方に不快な思いをおかけいたしました。東京国立博物館長として、この問題を真摯に受け止め、速やかに是正を行ってまいりました。このような事態を招いたことに対し、おわびを申し上げます」

と、おめでたい開会式では異例の謝罪をした。

   これを受けて台北・故宮の馮明珠院長は、

「この2、3日に発生したこと、残念だと思いますが、幸い最後には東京国立博物館は國立故宮博物院と交わした神品至宝展の契約内容を順守し、『國立故宮博物院』の正式名称を尊重してくださいました。雨の後の青空のように展覧会の大きな成功を願います」

と、東博側の対応を評価した。

   会場には20台以上のテレビカメラが並び、主催や特別協力に入っている日本側のマスコミ各社のほか、台湾側の報道陣も多数詰め掛けた。馮院長は主催者あいさつの後も、台湾側の報道陣に取り囲まれ長時間のインタビューを受けていた。

   台湾側の「名誉団長」の立場で、開会式に出席すると事前告知されていた馬英九総統夫人は結局、姿を見せなかった。総統夫人が来日して公式行事に出るのは1972年の日台国交断交以来初めてとされていただけに、日台友好を願う関係者にはやや残念な結果となった。

元のポスターに突貫工事で「國立」貼る

馮院長を取り囲む台湾メディア
馮院長を取り囲む台湾メディア

   台湾側の反発の動きが表面化したのは20日。日本側の主催マスコミが作成したポスター類から、「國立」の二字が抜け、「台北 故宮博物院展」となっていることを問題視、総統府が抗議声明を出し、文言修正に応じなければ展覧会の中止もありうるという強硬姿勢だった。

   驚いた日本側は突貫工事で、ポスターの文言修正作業に入り、山手線など都内の主要駅に張り出されていた巨大な展覧会の告知看板などに、「國立」の二文字を追加した。具体的には、名称部分の一部もしくは全文を取り替え、元のポスターの上に貼ったらしく、近づくと切り貼りの痕跡がわかるものもあった。

   今回なぜ、マスコミ側が「國立」を省いたのか不明だが、展覧会事情に詳しい関係者によると、「國立」を入れると、ただでさえ漢字だらけで長い展覧会名がさらに長くなり、肝心の「故宮」が埋もれ、告知力が弱まる、國立が旧字であり、日本のマスコミとしては使いにくい、そもそも日本では「台北・故宮」で通っている、2年前の「北京・故宮」でも展覧会名に「国立」が入っていない、世界的に有名な美術館の場合、わざわざ国立を入れない、などの事情が絡み合ったのではないかという。

   主催マスコミ各社は、自社媒体で今回の展覧会を紹介するときにも、展覧会名に基本的に「國立」を入れていない。マスコミ側の一部には「國立」を省略することについては内諾を得ていたはずと受け止め、今回の台湾側の指摘に唐突感を持つ向きもあるようだ。

   ちなみに展覧会に関連して東博で開催されるシンポジウムには、前回の「北京・故宮展」も今回も、日、中、台の研究者が参加、学術レベルでは三か国が同じテーブルで議論を深める形となっている。

                                        
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