「花子とアン」で注目集める「白蓮駆け落ち事件」の真相 スキャンダル大スクープは朝日への「リーク」だった

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   NHK連続テレビ小説「花子とアン」で大きな反響を呼んだ、主人公の「腹心の友」である「葉山蓮子」と帝大生「宮本龍一」の駆け落ち劇。ファンの間ではモデルとなった「白蓮事件」への関心も高まっている。

   白蓮事件は1921年(大正10年)、九州の炭坑王・伊藤伝右衛門と結婚した柳原伯爵家令嬢で歌人の柳原燁子(筆名・白蓮)が社会活動家の宮崎龍介と駆け落ちした事件だ。新聞のスクープによって一大スキャンダルに発展し、ドラマでも当時の過熱ぶりが再現されている。だが、史実と異なる点も少なくないようだ。

絶縁状の発表は宮崎らが計画したものだった

高視聴率が続く「花子とアン」(画像は公式サイトのスクリーンショット)
高視聴率が続く「花子とアン」(画像は公式サイトのスクリーンショット)

   仲間由紀恵さん演じる「蓮子」は政略結婚によって25歳離れた福岡の石炭王「嘉納伝助」(吉田鋼太郎さん)の妻となるが、愛のない結婚生活に苦しんでいた。

   そうした中、芝居の脚本依頼を受けたことを機に「宮本龍一」(中島歩さん)と懇意になり、2人は駆け落ちを決意。蓮子は主人公の「村岡花子」(吉高由里子さん)に会いに行くとの名目で上京、行方をくらまして龍一の元へ走った。

   ここまでの経緯はおおよそ史実どおりだ。大きな違いはその後――蓮子がしたためた伝助への絶縁状が新聞に載るまでの経緯にある。

   ドラマでは、龍一が学生仲間に絶縁状の投函を依頼するが、仲間らの独断により新聞に掲載されてしまった。それを知った2人は驚き、龍一は「俺はお前を信用して手紙を託したんだ!新聞に載せるために渡したんじゃない!」と掴みかかる。すると仲間らは「革命」の大義名分を持ち出し、世間に衝撃を与える方法として新聞社への持ち込みを選んだと主張した。

   龍一が「なんてことしてくれたんだ…」と沈む姿は印象的だったが、実際の事件では、燁子も龍介も同意の上だったようだ。「文藝春秋」8月号(7月10日発売)に再録された宮崎龍介の告白手記には、次のように書かれている。

「大正十年十月、燁子は九州から最後の上京をしてきました。(略)実はこれを最後に燁子は伊藤家から姿を消す、という打合せがしてありました。私は燁子との問題は家族の者にも一切話さず、友人の赤松君と朝日新聞にいた早坂二郎君にだけ打ちあけて、いろいろ相談しました。彼らは私が燁子と結婚することには大賛成でした。そして同じやるなら、一つ世間に衝撃を与えるようなやり方をした方がいいだろうということに、三人の意見が一致しました。それには多くの新聞社に共同発表するよりは、一社の特ダネの形で世間に発表する方が効果がある、という早坂君の意見で、発表は朝日新聞社一社にしぼることにきめました」
「十月二十二日の朝日新聞朝刊の社会面は、全ページを燁子と私のいわゆる『白蓮事件』で埋め、予想通り大センセーションをまきおこしました。燁子の伊藤家に向けた絶縁状も全文のっていました。(絶縁状略)この絶縁状は燁子と赤松君と私の相談の上書いたものです」

   龍介と赤松克麿はともに東京帝国大学の学生運動団体「新人会」の結成メンバー。龍介の弁によれば、一大スキャンダルは自由と人権を訴えるために計画されたものだったということらしい。

ライバル紙記者、朝日の「裏切り」に驚く

   駆け落ちまでの経緯は、ライバル紙である大阪毎日新聞でも掴んでいたようだ。

   元朝日新聞記者、今西光男氏の「新聞 資本と経営の昭和史」には、

「朝日の記事に驚愕したひとりが、大毎の村島帰之記者だ。(略)新人会の創立者のひとり、赤松克麿とも親しく、竜介と白蓮の二人の恋も早くから相談を受けていた。村島は事件の経緯を承知していたが、記事にしなかったため、社から叱責された」

と書かれている。

   また、村島記者は「赤松克麿氏は参謀長として宮崎竜介氏を助け、事件発生とともに各社にいる新人会係の記者と連絡をとり、その真相を正しく報道するよう申し合わせあり。余もこれに参画していた。しかるに、朝日のHら裏切り、スクープとなり、余は面目を失墜す」との備忘録を残しているという。

   龍介の手記と照らし合わせれば、Hとは早坂記者だろうか。赤松は朝日による「抜け駆け」を遂行させるために、他記者へ連絡を取っていたとも考えられる。

史実知る視聴者からは「違和感」の声も

   この他に離婚時の描写にも異なる部分があるなど、フィクションとはいえ史実とのズレに違和感を抱く人も少なくないようだ。

   インターネット上では、

「こんなに史実と変えてくるとは思わなかった……」
「史実だと、伊藤家と柳原家の協議→離婚決定、という流れなんだが、伝助が一方的に離婚決意しちゃったぞ」
「白蓮事件って史実を追って行くだけで普通に面白いのに、蓮子と龍一がただの恩知らずに見える」
「いろいろ改変しているのは仕方ないとしても、宮崎龍介モデルの龍一君が薄っぺらく見えて何か不憫」
「朝ドラだから仕方ないけど…。白蓮事件の件このままを史実だと思われるとうーーーんなんとも…」

といった声が寄せられている。

   注目を集めた「白蓮事件」パートだったが、ようやく一段落し、7月30日の放送では主人公である村岡花子のパートに戻った。最終回までは残り2か月を切っている。

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