2024年 4月 26日 (金)

KDDIの「キャリアアグリゲーション」に注目 「iPhone6」通信速度でドコモとソフトバンクは「後手」

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   米アップルが「アイフォーン(iPhone)」の新モデルを2種類発表した。画面の大型化や決済機能の搭載といった点が注目を集める一方、端末の通信機能も強化が図られている。

   キーワードは、「キャリアアグリゲーション」。異なる周波数を同時に利用できる仕組みで、国内の通信大手3社ではKDDIのみが新型iPhone発売と同時に対応する。競合するNTTドコモとソフトバンクモバイル(SBM)は一歩リードされた格好だ。

ふたつの周波数を「束ねて」受信最大150Mbsを実現

「iPhone6」と「iPhone6 plus」(アップルのサイトより)
「iPhone6」と「iPhone6 plus」(アップルのサイトより)

   画面サイズが4.7インチの「iPhone6」と5.5インチの「iPhone6 Plus」ともに、受信時の速度は最大150Mbpsとなる。加えて今回の発表では、iPhoneがキャリアアグリゲーションに対応する点も明らかになった。この「恩恵」を最大限に受けるには、通信ネットワーク環境の充実が求められる。

   国内通信会社で唯一、キャリアアグリゲーションをサポートするKDDIは取材に対し、「iPhone6と6 Plusの発売時から利用できます」と明言した。仕組みの大枠はこうだ。KDDIが持つ周波数で2GHzと800MHzがiPhoneに対応するのだが、それぞれの受信最大速度の75Mbpsを「束ねる」、つまり同時使用を可能にして、受信最大150Mbsを実現する。

   これに対してNTTドコモは、キャリアアグリゲーションの対応を「2014年度中」としており、iPhone6の発売時には間に合わないようだ。これとは別に、ドコモは現時点でも受信速度最大150Mbpsを利用できる地域はある。ただ、2014年度末までに「基地局数2000局」が目標とのことから、利用可能領域が広いとは言い切れない。IT系オンラインメディア「エンガジェット」も2014年9月10日付記事で、「少なくともiPhoneにおいては100Mbps超の高速通信に対応しているエリアは限定的」と指摘している。

   SBMにも取材したが、広報担当者は、キャリアアグリゲーションは2015年度以降だと回答した。当面はKDDIが先を行くことになる。

   通信面でKDDIにとって「追い風」となる点がもうひとつ。iPhoneのLTEは従来「FDD-LTE」という方式が用いられていたが、新型モデルでは「TD-LTE」という別方式も採用された。アップルの発表には、このTD-LTEの中に「バンド41」、つまり2.5GHz帯が含まれている。国内で同帯域が使えるのはKDDIの「WiMAX2+」とSBMの「Softbank 4G」だけだ。さらにSBMの場合、iPhone6ではキャリアアグリゲーションで2.5GHzに対応しない。ここでもKDDIがリードすることになるわけだ。

最新型スマホによるネットワーク速度調査ではKDDI

   2GHzと800MHz、さらに「TD-LTE」の2.5GHzでもキャリアアグリゲーションを実現できるメリットについてKDDI広報は、高速通信を安定的に利用できる点、「つながりやすさ、とぎれにくさ」を挙げる。

   キャリアアグリゲーションが、高速通信の実現に貢献している根拠となりそうなデータがあった。調査・マーケティング会社「イード」が9月8日に発表した、ドコモ、KDDI、SBM各社のネットワーク速度比較の調査だ。スマートフォン(スマホ)向けスピード測定アプリを用いて利用者が計測したデータをまとめたもの。2014年6月1日~8月31日に全国で実施され、3万2080件のサンプルが集まった。その結果、全国平均ではKDDIがトップ、また比較ができる45都道府県のなかでKDDIが「30勝」と圧倒的な強さをみせた。

   東京23区、大阪、名古屋、札幌、福岡の5大都市でのLTE平均スループット(単位時間あたりの処理能力)でも、KDDIが全勝。リポートでは「人口が密集してトラフィックがひっ迫し、速度が遅くなりやすい環境でもキャリアアグリゲーションが効果的に働き、より良いネットワーク環境を作っていることの証明になっているといえる」とまとめている。

   この調査は、米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」搭載のスマホを使っている。KDDI広報にたずねると、「イードが実施した調査は今夏の最新モデルの端末を使っており、iPhone6でも同等のパフォーマンスが発揮されると言えます」と説明した。

   iPhone6と6 Plusの発売日は、9月19日。通信大手3社が横並びで扱うだけに、KDDIの「安定した高速通信ネットワークの実現」は利用者に対して強いアピール材料になりそうだ。

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