「ぜんそくの主因は大気汚染ではない」 川崎市が医務職員の論文発表後に医療費助成見直しを示唆

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   ぜんそくの主因は大気汚染ではないとする川崎市の医務職員の論文が出た後に、市が成人向けぜんそく医療費助成制度の見直しを示唆していたことが分かった。しかし、論文でも因果関係があるケースは否定されておらず、患者団体などからは市のやり方に批判も出ている。

   「大気汚染と健康被害への再考」。神奈川新聞などによると、川崎市健康福祉局の坂元昇医務監が書いた論文は、こんなタイトルになっていた。

「大気汚染対策ではなくアレルギー対策として助成」

   論文は、2014年5月に日本職業・環境アレルギー学会誌に発表された。坂元医務監はその中で、工場のばい煙や自動車の排気ガスから出る二酸化窒素(NO2)などの汚染物質の濃度は、過去40年間で数値が低下し続けていると指摘した。その一方で、人口1000人当たりのぜんそく患者数は、1969年が4.3人だったのに、2011年は14.32に増えたことを示した。このことから、大気汚染とぜんそくとの間に相関関係はみられないとして、ぜんそくは「大気汚染が主因とは説明できない」と結論づけた。ただし、主因以外で大気汚染との関係を否定しているわけではない。

   論文については、6月24日の定例市議会で三宅隆介市議(無所属)が成人向けぜんそく医療費助成制度のことを一般質問する中で取り上げられ、福田紀彦市長は答弁で、大気汚染対策ではなくアレルギー対策として助成しているとして、「ほかのアレルギー性疾患とバランスを考えたい」と制度の見直しを示唆した。福田市長は、8月19日の定例会見では、論文は科学的に書かれていると評価し、「制度のあり方を考えたい」と改めて意欲を見せた。

   ぜんそくについては、国の公害指定地域になっていた市の川崎、幸両区が指定解除されたのを受けて、市が公害補償の補完策として1991年に両区で医療費の全額助成制度を設けた。99年になって要件が緩和されると、大気汚染以外でぜんそくになったとみられる患者も助成されているとして、他区などから不満も出るようになった。そこで、市では2007年、アレルギー対策に目的を変え、全市に助成を拡大するとともに、本人負担3割のうち2割だけを助成することにした。

「職員の論文は、見直しとは関係がありません」

   その助成対象には、ハウスダストやダニなどのアレルギーによるぜんそくの人も多いとみられている。川崎市の環境保健課によると、ほかのアレルギー性疾患や様々な難病の患者らからは、自分たちも助成されないのは不公平だとの声が出ているという。こうしたことから、医療費助成制度の見直しを今回検討することにしたと説明している。

   報道によると、ぜんそく患者数の増加に伴って、助成を受ける人は月50~60人単位で増えており、2014年6月現在で6000人ほどに達した。14年度予算は1億8500万円が計上されるなど、市の負担にもなっているようだ。

   成人のぜんそくについては、環境省が2005~09年度に行った疫学調査でも、大気汚染との関連が認められなかった。坂元昇医務監の論文は、それを統計的に補完する意図があったのだろうか。

   この点について、環境保健課では、「研究者の論文については、何かを言う立場にはないです」と話した。今回の助成制度見直しに役立てようとしたかについては、「見直しとは関係がありません」と否定した。

   市の見直し示唆について、患者団体からは不満の声が上がっている。

   「川崎公害病患者と家族の会」は、福田紀彦市長の議会答弁を受けて、14年7月3日に「大きく失望した」とする抗議文を市に提出した。川崎公害裁判で大気汚染とぜんそくとの因果関係が認定された経緯を理解していないとして、「患者切り捨て」だと反発し、市長との話し合いを求めている。

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