2024年 4月 25日 (木)

サッカーのスタジアムで「中指を立てた」のは誰だ!! サポーターの処分に「そこまでやるのか?」

   サッカーJリーグの試合中にサポーターが「中指を立てる」。そうした行為に対する議論が沸騰している。チームに通報が入り、チームはそのサポーターを特定し入場禁止処分を科したりもしているのだ。

   Jリーグの禁止事項には「差別的、侮辱的もしくは公序良俗に反する言動」があり、それに該当するとチームは判断しているようだが、行儀が悪いとはいえ中指を立てた人物を探し出し処分を下すことに「そこまでやるのか?」、とか、「規制ばかりではJリーグは廃れてしまう」などといった反発の声も多い。

通報を受け映像で人物を特定し事実確認を行う

それは果たして「パフォーマンス」なのか(画像は横浜FCのホームページ)
それは果たして「パフォーマンス」なのか(画像は横浜FCのホームページ)

   J2の横浜FCは2014年10月6日に公式ホームページで、横浜FCサポーターがグランド方向を向いて中指を立てるという行為があったと発表した。チームに通報があり映像で確認したところ、確かにそのような行為が見つかった。現在は人物の特定を行っていて事実確認を済ませた後に何らかの対応を取ると説明し、

「会場にお越しいただいた皆様ならびに中継映像を御覧頂いた皆様には大変不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません」

と謝罪した。

   Jリーグではサポーターのマナーの悪さやヘイトスピーチなどが度々問題になっていたが、中指を立てるとこうした状況になってしまうことを初めて知ったという人が衝撃を受け、横浜FCの運営やJリーグへの批判が大量に出ることになった。

「魔女狩りみたいになってきたなw」
「マジでくだらねえなあ。今の日本ってどこ見ても規制ばっかでバカじゃねーの」
「Jが盛り上がらないとか言ってるわりに、一番盛り下げに動いているのが協会とチームというのが凄い皮肉だわ」

   中指立てなんてどこのチームのサポーターもやっていることだし、大勢の観客をわざわざ監視し見つけてクラブに通報する神経がわからない、と首を傾げる人もいる。

   横浜FCに話を聞いてみると、ホームページ上で説明したことが全てであり、違反者については今後どうしていくかはまだ決まっていない、ということだった。ネット上の批判については、

「当クラブが初めて実施したことではなく、名前は出せませんが前にもあったことであり、他のクラブも同じだと思いますよ」

ということだった。

「重箱の隅をつつく通報に対応していては際限がない」と反発

   過去の例というのは14年8月23日に行われた大宮アルディージャと鳥栖戦。試合終了後にホームメインスタンドで観戦をしていたサポーターが、大宮の選手に対して中指を立てる行為をしたため、指を立てたサポーターをホームゲーム5試合の入場禁止処分にした。また大宮は14年4月16日柏レイソル戦で、試合後にホームサポーターゾーンにいたサポーターが中指を立てたこと確認しホームゲーム3試合の入場禁止処分を科している。処分の理由は、

「中指を立てる行為は、Jリーグ統一禁止事項および大宮の試合運営管理規定で禁止されている行為」

と説明している。コンサドーレ札幌は14年9月28日の松本山雅FC 戦で、松本山雅FCに対し札幌のサポーターが試合終了後に中指を立てたという情報が多数寄せられたため、そのサポーターと思われる人物を特定し事実関係を確認していると29日に発表している。

   この中指立て問題についてサポーターはどう感じているのだろうか。日本代表サポーターの村上アシシさんは14年10月4日付けのブログ記事に「Jリーグの『中指問題』にモノ申す。規制ばかりのJリーグに未来はない」という見出しを掲げ、スタジアム内でのサポーターの言動を全て監視下に置き、いちいち罰則を与えることを恒常化してはならない、と主張した。暴力や人種差別といった、明らかなルール違反は罰せられて然るべきだが、中指を立てるのはパフォーマンスに過ぎないし、汚い部分も含めて独特の「サッカー文化」だ、と語り、

「サポーターの自発的な抑制によってコントロールされる形が理想的だと思う。重箱の隅をつつく通報にその都度対応していては際限がない」

と書いている。

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