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百貨店売り上げ、回復傾向も「中国人頼み」鮮明に バッグや化粧品、宝飾品伸びる

   大手百貨店の売り上げに、回復の兆しが見えてきた。

   背景にあるのは、外国人観光客の存在。なかでも円安を追い風に、東京・銀座や新宿で百貨店の紙袋をぶら下げて闊歩する中国人観光客の買い物姿が目立ってきた。

免税対象広がり、消費押し上げ効果は年300億~450億円!

日用品も免税対象に!(画像は、イメージ)
日用品も免税対象に!(画像は、イメージ)

   買い物を目的に海外旅行を楽しむ、「ショッピング・ツーリズム」で日本を訪れる中国人が、百貨店売上げに貢献している。

   2014年に日本を訪れた外国人観光客は10月までに1100万人を突破。中国人観光客は200万人を超え、前年同期比で8割増えた。円安で日本に来やすくなったことが大きいが、これまで尖閣諸島をめぐる領土問題などで関係が冷えていたとは思えぬほどだ。

   加えて、10月からは外国人観光客向けに、従来1万円超の家電製品などに限られていた消費税の免税品目が、5000円超50万円以内の食品や大衆薬、化粧品などの日用品にも広がり、免税措置が受けられるようになったことがある。

   ジャパンショッピングツーリズム協会の試算では、免税対象の拡大に伴う訪日外国人観光客による消費押し上げ効果は、年300億~450億円にのぼる。これは2013年の訪日観光客の国内消費額(4632億円)の約1割に相当する規模で、さらには現在、急速に免税店が増えているため、この試算が「上振れする可能性が高い」という。

   こうした訪日外国人客の買い物需要を取り込もうと、大手百貨店では免税カウンターを拡大。免税手続きや外国人案内をするスタッフを増員したり、外国人向けパンフレットを用意したり、対応を強化している。ワンストップで買い物できることや銀聯カードなどが利用できることも、中国人観光客には便利でいいらしい。

   日本百貨店協会によると、10月の訪日外国人売上高は約86億7000万円で、前年同月と比べて3倍超増えた。単月で過去最高。ちょうど中国の大型連休である国慶節休暇にあたったこともあり、中国人観光客が増加したという。

   11月は、この流れが持続した。たとえば、高島屋は11月の訪日外国人向けの免税売り上げが、前年同月に比べて約2.7倍に増えた。とくに大阪店は約3.5倍、新宿店は約2.3倍と大きく伸び、全店売り上げを押し上げた。新宿店の場合、売り上げに占める外国人客は約10%に達し、その大半を占めるのが中国人だ。

   売れ筋は、ブランドのバッグなど。ただ、期待していた化粧品などは、「予想していたほどではなかった」と話す。

   高島屋の11月の売上高(速報、既存店ベース)は、前年同月比0.6%増。3月以来、8か月ぶりに前年実績を上回った。「感触としては、消費増税の影響はなくなっています」という。

訪日外国人「とにかく客数が増えました」

   こうした外国人観光客の存在もあって、2014年4月の消費増税以降、駆け込み需要の反動に苦しんでいた大手百貨店に、ようやく明るい兆しが見えてきた。

   大手百貨店5社が12月1日に発表した11月の販売実績(速報値)は、三越伊勢丹や高島屋など4社で前年同月を上回った。

   三越伊勢丹ホールディングス(HD)の11月の売上高(速報、外商を除く既存店ベース)は前年同月に比べて0.7%増え、5か月連続で前年実績を上回った。消費低迷をよそに、三越銀座店は10.7%増と22か月連続のプラス。11月は日曜・祝日が前年より2日多かったことが旗艦店を中心に来店客数の押し上げたというが、訪日外国人向けの免税売り上げが好調な三越銀座店と伊勢丹新宿本店がけん引したことは間違いない。三越伊勢丹グループの免税売り上げは、前年同月と比べて約2.3倍にのぼった。

   三越伊勢丹HDは、「訪日外国人の需要に支えられ、バッグや化粧品が大きく伸びました。(売れ筋商品の)傾向はあまり変わりませんが、とにかく客数が増えました」と話している。

   そごう・西武の11月の売上高(速報値)は、0.1%増。地方店は消費の回復が鈍く、全体では微増にとどまったが、訪日外国人向けの免税品売り上げは前年に比べて2倍に伸びた。

   阪急阪神百貨店(速報、全店ベース)は、3.9%増。阪急本店が9.1%増とけん引。海外高級ブランドのダウンコートや化粧品が好調で、宝飾品も堅調。訪日外国人向けの免税売り上げも3.5倍に大きく伸びた。

   大丸松坂屋は松坂屋上野店の建て替えに伴う一部閉鎖が響き、0.2%減で前年実績に届かなかった。しかし、訪日外国人向けの売り上げは3倍超も伸び、好調だった。

   外国人観光客の存在感は高まるばかりだ。