株主優待、新設・拡充が広がる 「ジャンボ宝くじ」や「大観覧車利用券」も

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   アベノミクスによる株高基調が来年以降も続くかどうか注目される中、株主に自社製品などを贈る株主優待制度の新設・拡充が増えている。今年春以降に制度の新設を発表した企業には、楽天、KDDIなど消費者と接点が広い企業の他に、自動車部品、精密機器、金属製品など企業を主要取引先にする企業も目立つ。

   各企業の株主には比較的短い期間で株を売買する外国人株主の比率が高まっているが、個人株主にも自社株の長期保有を促し、株価の安定を図る狙いだ。

実施率は3割超えて過去最高

「株主優待生活」も夢じゃない?(画像はイメージ)
「株主優待生活」も夢じゃない?(画像はイメージ)

   大和インベスター・リレーションズ(IR)の集計によると、2013年10月~14年9月に制度を新設した企業は82社で、最近ではリーマン・ショック前の2006年10月~07年9月の105社に次ぐ規模だった。コスト高などを理由に制度を廃止する企業は逆に減っているため、全上場企業3600社のうち実施企業数は9月末で1150社、実施率は31.9%と過去最高を更新した。制度新設を発表する企業は10月以降も増え続けており、「暦年での制度導入企業数も過去最高になる可能性がある」と同社は話す。

   1980年代以前に株式上場した老舗企業が制度導入に踏み切ったのも今年の特徴だ。建設機械大手のコマツ(東京証券取引所1部)は、東証に上場した1949年以来初めて制度を導入した。3月と9月末の株主名簿に載り、300株以上を3年以上保有する株主を対象に、ブルトーザーなどの建設機械の模型を。株主優待の限定品で、同社は「毎年違うモデルを出すのでコレクションにして欲しい」と話す。

   11月28日に制度導入を発表した日本ビューホテル(東証2部)は、4月と10月末現在の株主に対し、同ホテルチェーンで利用できる割引券を保有株式数に応じて5000~2000円分贈る。「当社の株式への投資魅力を高め、より多くの方に長期間保有してもらうのが目的」(同社)だ。

トータルで投資の魅力を高める

   企業が株主優待を相次いで導入するのは、安定して株を持つ個人を増やしたいためだ。個人株主は相場が安い時に買い、価格が上昇すると売却してしまうため、なかなか長期的な安定株主にはなりにくい。株主優待は、株価の動向だけでなく、配当なども含めたトータルで投資の魅力を高める試みの一環だ。

   証券会社は毎年秋ごろ、企業の株主優待制度をまとめた冊子などを投資家向けに配布している。株主優待にはクオカードや自社製品詰め合わせなどのほかに、「サマージャンボと年末ジャンボ宝くじ」(東証ジャスダック上場のマサル)、「自社で納入した商業施設の大観覧車利用券」(東証1部上場のサノヤスホールディングス)といった変わり種もある。「雑誌で株主優待だけで生活している投資家が話題になるなど、注目度は高まっている」(大和IR)ようだ。

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