総選挙で安倍政権圧勝 アベノミクスどうなる? 最大の誤算、急激に進む円安で「輸出が伸びない」

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   アベノミクスが最大の争点だった解散・総選挙で与党が大勝し、安倍晋三首相の続投が決まった。

   2012年12月の政権交代から2年、アベノミクスの「大胆な金融緩和」と「機動的な財政出動」で円安が進み株価が上昇、デフレ脱却の機運が高まったのは事実だが、消費増税もあって物価上昇に実質賃金が追いつかない。富裕層や大企業以外は景気回復の実感を得にくいのが実情だ。

輸出産業は生産拠点を海外に移す

「誤算」を乗り越えられるか
「誤算」を乗り越えられるか

   アベノミクスの最大の誤算は、円安にもかかわらず輸出が低迷していること。円安が進むと原材料や食料など輸入品の価格が上がり、さらなる物価上昇を招く。足元の為替は1ドル=120円台に突入し、一段と進む円安が日本経済の先行きを不透明にしている。3年目に突入するアベノミクスはどこへ向かうのか?

   今回の総選挙の結果を見る限り、有権者は安倍首相の続投とアベノミクスの継続を信認する形となった。これまで2年間のアベノミクスで明らかになった最大の問題点は「円安にもかかわらず、輸出が増えなかったこと」だろう。物価上昇に実質賃金が追いつかない要因の一つも、円安によって輸入価格が上昇したのに対して、輸出が期待したほど伸びなかった点にある。

   2年前の政権交代当時、安倍政権は大胆な金融緩和で円安が進めば、輸出が増えて日本経済が好転すると踏んでいた。ところが、長期にわたり円高に苦しんだ自動車や電機など輸出産業は生産拠点を海外に移す「地産地消」を進めたため、円安となっても輸出は期待ほど伸びず、むしろ原材料や食料などの輸入価格がかさみ、貿易赤字は解消できなかった。

新たな成長戦略を迫られる

   この誤算は総選挙で安倍首相も認めるところだった。これまでのアベノミクスは「加工貿易の輸出立国」だったかつての日本経済の成功モデルを引きずっており、「アベノミクスはグローバル化に対応した経済構造の調整やビジネスモデルの転換が不十分であることを示している」(日本総研の山田久調査部長)という。

   現代の日本は輸出や公共事業で経済が成長する旧来のモデルから脱却し、海外生産を前提に国内へ利益を還流する新たな成長戦略を示すことが求められている。トヨタ自動車やホンダなど日本の自動車メーカーは国内で次世代車を開発・設計し、最先端のマザー工場は国内に残すものの、消費地に近い海外で現地生産し、利益を上げるビジネスモデルを構築している。安倍政権が目指す成長戦略も輸出主導からの転換が求められている。

   経営コンサルタントの冨山和彦氏は「日本のグローバル企業は錦織圭君のようになればよい。海外で勝って、お金が日本国内の錦織君の銀行口座に貯まることが大切。必ずしも日本にいる必要はない」「日本経済にはグローバル経済圏とローカル経済圏の二つがあり、それぞれにあった成長戦略が必要だ」と主張している。

政権公約を実現できるのか

   足元の懸念材料は、日銀の金融緩和で一段と進む円安だろう。為替レートは民主党政権末期の2012年秋から円安傾向となり、当時の1ドル=79円台から2013年12月には1ドル=105円台まで円安が進んだ。その後、日銀の追加金融緩和を受け、2014年10月には1ドル=110円台となった後、急速に円安が進み、足元では一時、1ドル=121円台をつけるなど、さらに円安が進む勢いだ。

   為替レートの適正水準を考える目安としては、日米のハンバーガーなど国際的に比較可能な商品の販売価格を比べる購買力平価がある。購買力平価は1ドル=100~105円程度とされるが、経団連の榊原定征会長は「一様に望ましい為替水準は言えない」としながらも、急激に進む円安ドル高について「中小企業や地域で負の影響を受けている企業があるので、政策的な目配りをしてほしい」と、政府に注目をつけている。

   エコノミストの間では「日銀がインフレ率2%の目標に固執し、さらなる金融緩和に踏み込めば急速に円安が進み、2%を大幅に上回る輸入インフレとなって、国民生活を直撃する」との声もある。果たして安倍政権は「企業の収益が増え、雇用や賃金の増加を伴う経済の好循環をさらに拡大し、全国各地へ波及を図る」という自民党の政権公約を実現できるのか。2017年4月の消費増税までの時間は限られており、安倍政権は難しい舵取りを求められている。

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