動画広告レートが急に落ち込む 収入「激減」にユーチューバー嘆く

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   動画投稿サービス「ユーチューブ」上でユニークな動画を配信し、その視聴回数に応じて広告収入を得る「ユーチューバー」。最近はインターネットを飛び出して、メディアに取り上げられる「有名人」も増えてきた。

   ところが最近、広告料のレートが急降下した。何が起きているのか。

トップクラスは企業と直接広告宣伝契約を締結

ユーチューバー稼業も楽じゃない
ユーチューバー稼業も楽じゃない
「ユーチューブの収益が、えらく下がってます」

   2015年1月4日公開の動画でこう切り出したのは、ユーチューバーのシバターさん。プロレスラーでもあり、動画では自身の試合からゲームの実況、さらに他のユーチューバーの著書を酷評するような少々過激な映像まで内容はさまざまだ。

   以前からシバターさんは、収益について「1再生0.1円」と話してきた。1日数十万再生あり、金額についてはおおよそ平均値のデータが取れていると話す。これが2014年12月以降、1再生あたり0.025~0.05円に落ちているのだそうだ。現状ではユーチューブのみで生計を立てているが、今のペースだと2015年1月は赤字になる見通しだと嘆く。ユーチューブは広告料レートの金額を公表していないが、シバターさんの指摘に賛同する他のユーチューバーもいた。

   「動画投稿だけで暮らす」ユーチューバーは近年、国内で注目の存在だ。人気の高いHIKAKIN(ヒカキン)さんや「バイリンガール」で知られる吉田ちかさんは、ユーチューブ自体のテレビCMにイメージキャラクターよろしく登場した。2014年12月25日放送の「モーニングバード!」(テレビ朝日系)は、HIKAKINさんの動画の総再生回数を約14億回、推定収入は「1再生0.1円」換算で1億4000万円と報じた。動画チャンネルを開始したのが2006年12月30日なので8年間の累計とみられ、単純計算で年収1750万円となる。

   仮にユーチューブが広告料のレートを1再生あたり0.05円、あるいは0.025円に下げているとしたら、トップユーチューバーにとっても痛手のはず。だが彼らには別の収入源があるようだ。2014年12月22日付の日経ビジネスオンラインは、「人気ユーチューバーの多くはユーチューブからの広告収入に加え、企業と直接、広告宣伝契約を締結し収益を得ている」と報じた。先述の吉田さんの場合も、「ネスレ日本や花王など10社以上の会社と契約」しているという。

「勝ち組・負け組」に二極化していく可能性

   一方で収入が広告料のみのユーチューバーにとっては、1再生当たりのレートを下げられたとすれば死活問題だ。シバターさんは、HIKAKINさんら3人だけがCMに起用されたことにも触れて「ユーチューブは、一部のトップにいるユーチューバーだけを持ち上げて、ほかは全員切り捨てるのか」と怒りをあらわにした。

   ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、「レートが下がったという前提に立ち、あくまでも推測ですが」とことわったうえで、ユーチューブ側は、広く視聴者を集めるうえで活躍したユーチューバーが、その役目を果たし終えたと考えたのではないかと話す。自主的にユニークな動画を配信してアクセスを稼ぐユーチューバーは、「広告料を払って客を集めてくれる存在」だった。

   サイトの知名度が上がって活性化すればさらに広告が増える好循環となり、ユーチューブ側としても都合がよい。ただ、もう集客段階が過ぎたのであれば、これ以上大勢のユーチューバーを抱えて広告料を支出し続ける必要はないと判断しても不思議はない。これからはサイトに登録したユーザーを放さないために、人気の高いユーチューバーだけを選別、優遇するかもしれないと井上氏は見る。こうなると「勝ち組・負け組」に二極化していく可能性は高い。

   ただ井上氏自身は、「ユーチューバーは一時のあだ花に終わるのではないか」と考える。今は、素人ながら工夫を凝らして作り込んだ動画を無料で配信する点が受けているかもしれない。だが今後、同じような内容でもプロが制作し、有名芸能人が演じるようにでもなれば、歴然としたクオリティーの差が出てしまう。それでも生き残れるとしたら、その時は「セミプロ」のユーチューバーとしてではなく、プロの映像クリエイターとして配信を続けているかもしれない。

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