J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

イスラム国関係者がツイッターで日本に動画アピール ハッシュタグに「ズワイガニ」「斉藤仁」

   日本人2人がイスラム国に拘束されている動画がユーチューブで公開された問題で、イスラム国との関連が疑われるツイッターのアカウントが注目を集めている。アラビア語でのツイートが中心で、イスラム国関連の動画を多くツイート。中には男性の首を切断する画像も少なくない。

   ここ1日ほどは日本人拘束に関するツイートが多く、「ズワイガニ」「大寒」といったイスラム国とは何の関係もない単語のハッシュタグをつけてツイートを繰り返すという不可解な動きが続いている。

日本政府が確認する15分も前に動画についてツイート

イスラム国との関連が疑われるアカウント。ハッシュタグの羅列を日本語でツイートしている
イスラム国との関連が疑われるアカウント。ハッシュタグの羅列を日本語でツイートしている

   問題のアカウントは、これまで1万回程度ツイートしており、日本人拘束の動画について初めてツイートしたのが日本時間で2015年1月20日の14時34分。これに対して、菅義偉官房長官が21日午前の会見で明らかにしたところによると、日本政府が問題の動画を初めて確認したのは20日14時50分だ。問題のアカウントは、かなり早い段階で動画の存在を把握し、拡散していたことが分かる。

   今回の日本人拘束の狙いのひとつとして指摘されているのが、イスラム国のメッセージを、報道などを通じて広く世界に伝えることだ。問題のアカウントをイスラム国関係者が運営しているかは必ずしも明らかではないが、自らのツイートを日本のツイッター利用者に広めようとしているという点ではイスラム国の狙いと一致しているようにもみえる。

   象徴的なのが、20日15時40分にツイートしたハッシュタグの羅列だ。その内容は、

「ISIS」「IslamicState」「ズワイガニ」「濁点のつかないロボをあげていくタグ」「大寒」「エリザベート」「クリタワ」「フェスS」「斉藤仁」「ロド」

というもの。最初の2つ以外の8つは、全くイスラム国と関係ないものだ。「トレンド」と呼ばれる、その時点で流行っている言葉の一覧をツイートしたとみられる。これを行うことで、例えば斉藤仁さん死去のツイートを見ていた利用者も、問題のアカウントの書き込みを目にする可能性が出てくるわけだ。

山本太郎議員の「2億ドルの支援を中止し、人質を救出して下さい」も拡散

   このアカウントに対して「話しかける」日本のツイッターの利用者もいるようで、問題のアカウントは日本語の書き込みをリツイート(転送)してもいる。

   山本太郎参院議員は、安倍首相のアカウントに対して、ツイッターで、

「2億ドルの支援を中止し、人質を救出して下さい」

と話しかけた。このツイートも、問題のアカウントによって拡散されている。それ以外にも、問題のアカウントは「ISISクソコラグランプリ」というハッシュタグもツイート。日本のツイッター利用者が作成した拘束動画のパロディーが拡散する事態になっている。これらのパロディー画像には「不謹慎」だという指摘も多く、波紋が広がりそうだ。