JTが飲料事業から撤退のなぜ 「優劣は事業規模で決まる」からだ

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   日本たばこ産業(JT)が2015年9月末をめどに飲料事業から撤退することを決めた。かつては清涼飲料水「桃の天然水」や缶コーヒー「ルーツ」といったヒット商品を生み出したが、最近は目立ったヒットもなく、競争が激しさを増す飲料業界で存在感を示せず撤退に追い込まれた。

   JTによると、撤退を決めたのは製造・販売事業で、他社製品も販売している自動販売機のオペレーター事業は継続する考えだ。生産拠点は持たず製造は他メーカーに委託していたため、工場などの閉鎖はなく、JTの飲料事業部や子会社のジェイティ飲料の社員は配置転換や再雇用する方針だ。

商品ライフサイクルの短期化も目立つ

「桃の天然水」はヒットした(画像はJTのホームページより)
「桃の天然水」はヒットした(画像はJTのホームページより)

   たばこ販売世界3位を誇るJTは1988年に喫煙者数の減少を見越して飲料事業に参入。JTの経営多角化の象徴ともみなされてきた。1998年にはテレビCMに歌手の華原朋美さんを起用し、「ヒューヒュー」が流行語になるほどのヒット商品になった。

   しかし、2014年3月期の飲料事業全体の売上高は1845億円で業界10位。ここには自販機での他社販売分も含んでおり、撤退する自社の製造・販売事業の売上高は約500億円。飲料事業全体では21億円の営業赤字に陥っていた。

   JTは飲料事業からの撤退について、「グループの中長期的な成長に貢献していくことは困難だと判断した」(大久保憲朗副社長)と説明する。

   近年の飲料業界はアサヒグループホールディングスによるカルピス買収に象徴されるように再編に伴う寡占化が進み、「事業規模が優劣を決する」(JT)ようになっている。矢継ぎ早に新商品を出さないと勝負にならないほど「商品ライフサイクルが短期化」(同)している。特に、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなど大手小売業がPB商品の開発に力を入れている中で、下位メーカーは小売店での販路拡大が難しい状況に追い込まれている。

業界では「いつ撤退するか」とみられていた

   JTも最近は新たなヒット商品に恵まれず、小売店の棚に商品を並べること自体が難しくなり、他社製品も販売する自販機頼みが続いていた。業界では「いつ撤退するか」とみられていたほどで、撤退よりもJTの自販機事業の中核を担う傘下のジャパンビバレッジホールディングスの今後が、むしろ注目されている。

   JTは自販機事業を継続する方針を示しつつ、提携や売却も含めて「さまざまな可能性を検討したい」(JT)としている。ライバル勢にとってもジャパンビバレッジは「魅力的な企業」(飲料メーカー幹部)であるだけに、業界内ではジャパンビバレッジ争奪戦の本格化を予想する声がしきりだ。

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