朝日にまた「シリア現地ルポ」 前回の批判から一転、評価する声

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   外務省が出している「渡航情報」で最も高い危険度に指定されているシリアでの取材記事が、2015年2月18日の朝日新聞に掲載された。朝日新聞のシリア現地取材をめぐっては、1月末から2月初旬にかけて産経新聞や読売新聞が批判的に報じ、朝日新聞への批判も相次いだ。

   今回の記事は1月下旬に取材した内容をまとめたものだが、今回は批判的な声はほとんど見当たらず、記事の内容を評価する声の方が多いようだ。

アレッポの東側は複数の反体制派勢力、西側は政府側が掌握

1面の目次にあたる欄でも「現地ルポ」をアピールしている
1面の目次にあたる欄でも「現地ルポ」をアピールしている

   朝日新聞は2月1日付の朝刊1面トップで、イスラム国支配地域から逃れてきた人々の様子を、シリア第2の都市アレッポ発で伝えている。外務省では、2011年5月からシリア全土に最も危険度高い「退避勧告」を出しており、報道各社に対してもシリアに渡航しないように繰り返し呼びかけていた。今回は、あらためて15年1月21日に渡航見合わせを「強く」要請した。こういったことを背景に、朝日記者のシリア入りを伝える産経新聞の記事では、

「外務省幹部は『記者も当事者意識を持ってほしい。非常に危険で、いつ拘束されてもおかしくない』と強い懸念を示した」

などと解説しており、朝日に対して批判的な内容だ。

   今回新たに掲載された記事は「『最激戦地』アレッポを行く」と題して、アレッポの様子を国際面で2回シリーズで伝えている。1面右側の目次にあたる欄でも、「シリア アレッポを行く」という項目があり、その存在をアピールしている。

   記事によると、アレッポの東側は複数の反体制派勢力、西側は政府側が掌握。現地は緊迫した状況が続いているようだ。

「中心部の前線では互いの狙撃手が相対し、時に「パーン」「パンパンパンパン」という発砲音が響く。市一帯でも『ドーン』という迫撃砲の発射音が昼夜を問わず断続的に続く」

   市民の

「難民になっても、避難先でみじめな思いをするだけ。家族がバラバラになったという話をよく聞く。ここに残った住民は、互いに助け合って暮らしている」

といった声も伝えており、単に避難すれば済むわけではない実情も浮き彫りにした。

「記者は中心部には近づかず、政府軍が掌握する市西部で取材した」

   ルポの左側に「取材にあたって」と題した掲載された記事では、シリア政府の協力を得る形で記者の安全を確保したことを説明している。

「アレッポ中心部では戦闘が断続的に続く。記者は中心部には近づかず、政府軍が掌握する市西部で取材した。市内の取材にはシリア情報省の職員が立ち会ったが、検閲は受けていない」

   ルポは「朝日新聞デジタル」にも全文が掲載され、感想が200件近くツイートされている。その内容は

「避難するより戦火にとどまることを選んだ人たちの思いも少し知ることができた」
「政府軍支配地域という限定的なものですが、良いリポートかな」

といった記事を評価するものが大半で、取材に対して批判的な声はほとんど見当たらない。

   また、朝日新聞の「Re:お答えします」のコーナーでは2月4日、石合力・国際報道部長が現場取材の意義を

「特派員の多くは、英危機管理会社の危険地研修で誘拐や爆弾テロも想定した実地訓練を積んでいます。ただ、どんなに注意してもリスクはゼロにはなりません。それでも取材をするのはなぜか。虐殺や人道被害では、現場で記者が取材することが真実にたどりつく限られた方法だからです」

と説明している。

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