ダルビッシュ投手人生最大の試練 田中将大が回避した手術「即決」の理由

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   レンジャースのダルビッシュ有が右ヒジを手術することになり、今シーズンの登板は不可能となった。

   エースを狙う存在から一転して投手の曲がり角に立たされた...。

症状は昨年から出ていた

「暗い気持ちは、まったくない」

   ダルビッシュは手術を決めた2015年3月13日の記者会見でそう語り、務めて明るく振る舞った。

「手術するのか、と思ったけれど、残念と思ったところで、ヒジが急によくなるわけではない。手術をした後、チームに対して何ができるかを考えている」

   突然の痛みならばショックも大きかったのだろうが、症状は昨年から出ていたことから、むしろ踏ん切りをつけたといえる。

   右ヒジに違和感を持ったのは昨年8月。「炎症」を理由に故障者リストに入り、そのままシーズンを終えた。今年はキャンプで調整し、オープン戦初登板の3月5日、ロイヤルズ相手に12球を投げた後、異常を訴えた。

   翌日の検査で靱帯の負傷が分かり、再検査をした後、手術に踏み切った。

「チームドクターから、手術をした方がいい、と言われてすぐ決めた。(患部は)部分断裂ではなく、すり減っている状態だ」

   ダルビッシュはこう説明している。今シーズンの開幕戦先発と予想されていただけに、無念だったと思う。レンジャースにとっても柱となるべき投手のアクシデントに頭を抱えたのは当たり前のことだった。

中4日登板、硬いマウンド、落ちるボールの多投

   ダルビッシュは大リーグに行ってから安定した成績を残している。12年16勝、13年13勝、14年10勝。昨年は22試合登板で2ケタに乗せた。完全試合を寸前で逃す快投もしており、信頼度は高い。

   原因は何か。考えられるのは登板過多、球種などが挙げられる。

   ダルビッシュは大リーグの中4日登板に疑問を持つ発言をしている。日本では中5日、中6日が普通だから、疲労の蓄積が取れないうちに次の登板になる。さらにボールやマウンドの硬さの違いなど、日本より負担が大きい。

   球種については、落ちるボールを投げすぎることが響いているのでは、との指摘がある。

   復帰はいつごろになるのだろうか。分かっているのは、今シーズンは戦列を完全に離れるということである。球団やダルビッシュによれば、早く手術して早くカムバックした方がいい、という。

   手術は日本でもよく知られているトミー・ジョン手術である。この別名は、かつてドジャースの好投手がヒジの手術を受けて見事に復帰したことから、その投手の名前をつけたものだ。

   日本の投手も何人かがその手術を受けている。メスを入れた後、エースの働きをした代表的な例はロッテの村田兆治がいる。82年に戦列を離れ、さまざまな治療を経た後に手術を受けた。83年は登板ゼロ。84年にカムバックし、翌年に17勝を挙げるなど、メスを入れた後、59勝を重ねた。通算215勝のうち4分の1以上を稼いだ。

   以後、多くの投手が同じ手術を受けた。桑田真澄、松坂大輔、和田毅、藤川球児ら。ヤンキースの田中将大も昨年、そのピンチにさらされたが手術まで至らなかった。しかし、不安は残る。

   ダルビッシュのピッチングはしばらくお預けになる。松坂と黒田博樹が日本へ戻ってきており、今年の大リーグ情報はさびしいものになる。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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