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ゴールデンウイークの旅行がフイに トラブル続出の旅行業者が突然「廃業」

   格安航空券をインターネットで購入したにもかかわらず、チケットが届かない――。そんなトラブルが相次いでいた旅行業者が突然、事業を廃止した。

   その事業者は、東京・渋谷区の旅行代理店「渋谷トラベルプラザ」(登録は、株式会社ジャーニー)。格安航空券などのチケットを手配していた人の中には、突然の廃業でせっかくのゴールデンウイークの旅行を、フイにしてしまった人も少なからずいるようだ。

  • ショック、突然の廃業で旅行に行けない・・・(画像は渋谷トラベルプラザのウェブサイトから)
    ショック、突然の廃業で旅行に行けない・・・(画像は渋谷トラベルプラザのウェブサイトから)
  • ショック、突然の廃業で旅行に行けない・・・(画像は渋谷トラベルプラザのウェブサイトから)

「GW直前とは悪質...」

   東京都は、「『渋谷トラベルプラザ』に旅行の手配を依頼された方へ」との表題の消費者注意情報を、2015年5月1日に公表した。同日、旅行業者として登録していた「渋谷トラベルプラザ」を運営するジャーニーから事業廃止の届け出があり、都が旅行業登録を抹消したためだ。

   事業廃止で、今後は「渋谷トラベルプラザ」が航空券などを発券することはできない。そのため、旅行を希望する人は改めて航空券などを手配する必要が出てくる。

   また、航空券などを受け取っている場合、そのチケットは有効だが、東京都は「念のため、当該航空会社に予約の確認をすることをおすすめします」としている。

   すでに旅行代金を支払っている人、チケットを受け取らないまま、出発日が過ぎてしまった人については、都の窓口(産業労働局観光部旅行業係)に申し出れば、同社が拠出している「営業保証金」の中から旅行代金の一部を受けることができるという。

   インターネットには、

「少しでも安くとか、そういう消費者心理を突っつかれてんだろうな」

と、「被害者」に同情を寄せる声がある。

   その半面、

「口コミぐらい見ろよ!」
「安物買いの銭失いの代表的な例」

といった、自身の不注意や自己責任を指摘する声もみられる。

   さらには、

「毎年この時期(GW)に聞いたこともないような旅行代理店が潰れてる」
「ネットで格安航空券を売れるだけ売って夜逃げするパターン。旅行業界あるあるだなw」
「次は夏休みが危ないな。クリスマスとかにもよくある」

など、突然の廃業はめずらしくないとの声も少なくない。

3月末から連絡がとれなかった

   一方、「渋谷トラベルプラザ」のホームページには、

「この度、弊社は事業廃業となりましてお客様よりお申込み頂きました航空券等のお手配ができなくなりました。このような事態となりまして大変申し訳ございません」

との、お詫び文が掲載されている。

   同社は、主に国内の格安航空券を取り扱う旅行代理店だったが、2015年3月末ごろから東京都の消費生活総合センターなどに、「航空券を予約して代金を振り込んだのにチケットが届かない」といった相談がたびたび寄せられるなど、トラブルが相次いでいたようで、このころから連絡がつかない状態になっていたという。

   じつは、東京都は4月10日に、「航空券の手配をネットで依頼した旅行業者と連絡が取れなくなった! ~イザ!というときに慌てないために~ 」との、消費者注意情報を公表していた。

「インターネットで手配を依頼した旅行業者と連絡が取れなくなった!どうすれば?」
「航空券の手配を依頼していた旅行業者が倒産!支払った旅行代金は戻ってくるの?」

といった、具体的な相談事例をあげて対応策をアドバイス。なにやら、「渋谷トラベルプラザ」の廃業を予見していたかのようだ。

   ちなみに、こうしたトラブルに巻き込まれないようにするには、予約時には必ず、旅行業登録の有無や、日本旅行業協会(JATA)の加盟や「e-TBT」マーク(電子旅行取引における消費者の信頼を確保することを目的としたマーク)の有無などを確認すること、また後日、旅行業者に返金を求めるには証拠となる資料(メールのやりとりや領収書など)を、きちんと保管しておくことなどをあげている。