大地震なのに「緊急速報」なぜ鳴らぬ 実は「技術的な限界」で「深発地震」に対応できていなかった

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   2015年5月30日に小笠原沖で発生したマグニチュード(M)8.1の地震は、首都圏のみならず日本中で大きな驚きとともに受け止められた。

   とりわけ話題となっているのは、緊急地震速報が鳴らなかった理由だ。揺れる直前、テレビから、スマートフォンから警報音が出るはずなのに、なぜか出ない。そんな報告がネット上に寄せられた。改善してほしい、との要望も寄せられているが、気象庁は「技術的な限界」「数か月という短いスパンでは難しい」と説明する。

  • 「全然役に立たねえ」との声もあったが…(画像は気象庁のホームページより)
    「全然役に立たねえ」との声もあったが…(画像は気象庁のホームページより)

震源の深さは東日本大震災の28倍

   気象庁は30日に開いた緊急記者会見で、今回の地震を「1885年以降、東日本大震災に次ぐ規模」と定義した。31日、マグニチュードが8.5から8.1へと修正されたものの、東日本大震災以後では最大規模の地震となる。一方で、震源の深さは682キロと非常に深く、東日本大震災(24キロ)のおよそ28倍だ。

   緊急地震速報は深さ150キロ以上を震源とする「深発地震」に対応しておらず、結局出されなかった。同庁のホームページによると、深発地震は正確な震度の推定が難しいという。震源が深い場合、震源の真上ではほとんど揺れないのに震源から遠く離れた場所で揺れを感じたり、計測器が実際よりも大きく震度を計算してしまったりで、正確な把握に困難が生じるからだ。

   同庁は地震発生直後に震源近くでとらえた観測データを即時解析し、各地への到達時刻や震度を推定して緊急地震速報を出す。最大震度5弱以上の場合に限り、震度4以上が予測される地域に向けて発信される。テレビやラジオ、スマートフォン、携帯電話を通じて伝わり、即座に警報音が鳴り響く。スマートフォンや携帯電話の多くの端末は、マナーモードでも警報音が鳴るよう設定されている。

   今回の地震の最大震度5強。震度の点だけで言えば、出されるべき状況だった。

   ツイッターでは

「全然役に立たねえ!」
「見直さなきゃね...」
「なぜ鳴らさなかったのか?」

など改善を求める声が多数寄せられている。

3次元的な計算方法を確立しないと、予測は難しい

   気象庁の地震津波防災対策課はJ-CASTニュースの取材に対し、深発地震を推定する難しさを語った。今回緊急地震速報が出なかった理由は、何らかの異常のせいではなく、「技術的な限界」があったためだという。先述した通り、現行システムでは深さ150キロ以上を震源とする地震が発生した場合、正しい震度を推定できない。

   担当者によると、地表近くで発生する地震が同心円的に揺れを伝えるのに対し、地下深くに発生する地震は複雑な伝わり方をするという。3次元的な計算方法を確立しない限り推定は難しい、と明かした。

   さらに、深発地震の事例は少なく、地震学の研究も追い付いていない。担当者は、深発地震への対応には「地震学の技術的、科学的な知見がまだ足りない」と語った。

   もちろん研究の進展には時間がかかる。「いつ頃改善されるのか」という記者の質問に対しては、数か月というスパンではなかなか難しいと答えた。

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