田中将大「10勝」が目の前に迫ってきた 「甲子園のヒーロー」は進化し続けている

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   ヤンキース田中将大が2ケタ勝利も確実になった。

   おりしも100年を記念する夏の高校野球が開催中。大リーガーに出世した甲子園の申し子の姿に球児たちの夢はさらに広がる。

  • 田中の活躍は甲子園球児にも夢を与える(写真:USA TODAY Sports/アフロ)
    田中の活躍は甲子園球児にも夢を与える(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

松井秀喜と夢の談笑

   本拠地のヤンキースタジアムにGM特別補佐の松井秀喜が姿を見せ、田中に話しかけた。

   松井「(試合を)見せてもらったよ」

   田中「勝ててよかったですよ」

   日本人同士、野球人同士だが、フロントと選手の間柄でもある。日本の野球ファンにとっては、すばらしいシーンだ。

   松井が観た田中のピッチングとは2015年8月4日、地元でのレッドソックス戦。先発した田中は7回途中まで投げ8勝目を挙げた。6月3日に復活登板して勝ってから2か月で6勝をマークしている。

   8月9日のブルージェイズ戦は6回3安打2失点に抑えたものの、味方の貧打で5敗目を喫したが、投球内容は悪くない。

   これで2ケタ勝利まであと2勝。故障の再発がない限りクリアは間違いない。早ければ8月中に達成できる。

   「細かいところでの球種の選択がよかった」

   レッドソックス戦ではスライダーを勝負どころで使った。これまで田中の武器はスプリット。他チームはその対策に必死で、とりわけ2ストライク後の決め球を警戒していた。田中はそこでスライダーを投げたというのだ。投球術は進化を続けている。

甲子園球児の「あこがれ」

   田中のスライダーというと、甲子園でのピッチングを思い出す。駒大苫小牧高のエースとして快投を見せた。勝ち上がった決め球がスライダーだった。

   その夏の高校野球は今年が100年記念大会。事前からさまざまな企画が行われた。田中が8勝目を挙げた直後の6日に開幕し、早実のOBである王貞治が始球式を行い、大変な盛り上がりを見せた。

   甲子園球児にとって田中は「あこがれの存在」だ。いまの高校生は最大目標を「大リーグでプレーすること」としている。話題の早実・清宮幸太郎もその一人である。

   田中のピッチングは高校の投手にとって理想となっている。無理のないフォーム、コントロールの良さ、150キロの速球、多彩な変化球・・・。ピンチで併殺に切り抜けるテクニックは神業と思われている。

   ヤンキースタジアムで田中を激励した松井も甲子園のヒーロー。5打席5敬遠はもはや伝説であり、巨人-ヤンキースで4番を打ったスラッガー。打者としてはまさに「あこがれの先輩」である。

   田中と松井が並んだ一枚の写真の持つ意味とインパクトは、高校球児にとって限りなく大きい。

   (敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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