政府、耕作放棄地の課税強化へ 自民党内には慎重論も根強い

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   環太平洋経済連携協定(TPP)を視野に入れた農業の競争力強化の一環で、政府が耕作放棄地への課税強化の方針を打ち出している。農地として少ない固定資産税しかかからない放棄地の税負担を増やし、所有者が手放したり、貸し出したりすように仕向けることで、やる気のある農家への農地の集約を進め、農業の生産性を高めようという狙いだ。

   ただ、自民党内などに慎重論も根強く、来年の参院選もにらみ、議論がスンナリいくかは予断を許さない。

  • 耕作放棄地の増加に歯止めをかけられるか(画像はイメージ)
    耕作放棄地の増加に歯止めをかけられるか(画像はイメージ)

滋賀県の面積に匹敵する規模

   全国の耕作放棄地は約40万ヘクタールと、全農地面積(約460万ヘクタール)の1割近くに達する。これは滋賀県の面積に匹敵する規模で、増え続けている。農家の高齢化、後継者不足などが原因だ。

   固定資産税は土地の評価額に1.4%の税率を掛ける。農地は他産業に比べて収益性が低く、他用途への転用も規制されていることから、評価額は低く、税負担が軽くなっている。

   2014年度の評価額の全国平均は、宅地が1平方メートル当たり約3万5000円に対し、一般農地は30~100円。単純計算で300分の1~1000分の1ということだ。都市部に近い地域の離農者などでは再開発などによる地価上昇を期待する例も多く、税優遇が農地の有効活用を阻む一因になっていると指摘される。

   安倍晋三政権は、TPPをにらんで農業の競争力強化を成長戦略の柱に据えている。2015年6月に閣議決定した成長戦略に耕作放棄地への課税強化の検討を盛り込んだ。

   この議論の舞台となったのが、政府の規制改革会議だ。5月の部会で、農水省が「税負担を重くする仕組み」の導入を表明し、議論が一気に加速。最終的に6月16日の答申には「農地の低い保有コストと、転用期待が耕作放棄を助長している」とズバリ書き込まれ、成長戦略につながった。

   農地の集約のための政策としては「農地中間管理機構(農地バンク)」がすでに始動している。引退する農家から農地を借り、やる気のある農家などに貸す仕組みで、2014年度中に県ごとに置かれた。しかし、借りたいという希望が約23万ヘクタール(2014年9月時点)あるのに、2014年度の実績は、全国の合計で貸借が2.9万ヘクタール、売買が0.7万ヘクタールの計3.6万ヘクタールにとどまった。

   そこで、農地への課税強化と農地バンクの活用促進をセットにしようというのが農水省の考えで、農地バンクに農地を貸す場合は、固定資産税を逆にゼロにすることも検討している。

線引きは容易ではない

   具体的な課税強化策として、農水省と総務省は耕作放棄地だけに適用する新税の創設を検討している。現状の固定資産税が実質的に倍増する程度の規模を想定しているとみられる。

   この場合、地方の「中山間地域」には、荒廃して木が生い茂って林のようになっているところもあり、農地として再生が見込めない土地は課税の対象から外れそうだ。優良な農地に再生できる放棄地に的を絞るということだ。

   とはいえ、線引きは容易ではない。農水省によると再生可能な遊休農地は全国で15万ヘクタールほどとされるが、毎年現場を回って確認するはずの市町村や各地の農業委員会が実際には実態を把握しきれていないことも多いとの指摘もある。

   政府は年末までに与党の議論も経て税額(税率)や導入時期などを決めたい考えだが、徴収実務を担う市町村の準備も考えると、導入は数年後になるとみられる。

   ただし、自民党内には「所有者を苦しめる恐れがある」と、そもそも課税強化に反対の意見が根強い。貸し出しを増やそうという狙いにも、「先祖伝来の土地を貸すことへの抵抗感もある」(農水省)だけに、議論にはなお曲折がありそうだ。

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