組体操「ピラミッド」や「タワー」は危険! 子どもも先生もケガで自治体ようやく規制に動く

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   秋の運動会シーズンが到来するなか、花形種目の一つである「組体操」を規制する動きが出てきた。

   その背景には、子どもや先生のケガが相次ぎ、「危険」であるとの声が続出していることがある。

  • 小学生の組体操、7段、10段は「危ない」…(写真はイメージ)
    小学生の組体操、7段、10段は「危ない」…(写真はイメージ)

組体操の指導方法も安全対策も「統一された基準がない」

   運動会の組体操は、高学年による団体演技として長く親しまれてきた。人を支えたり、支えられたりする運動を通じて、子どもの思いやりや物事に協力して取り組む心を育む機会とされた。また、保護者にとってはわが子の成長を感じられる機会にもなっていた。

   なかでも、人が何段にも積み上がる「ピラミッド」や、肩の上などに立ち円形の塔をつくる「タワー」は、運動会の最大の見せ場として披露されている。そんな組体操で、事故が相次いでいる。

   たとえば、土台になる一番下の段で四つんばいの体勢で支えている子どもが重さに耐えられなくなって押し潰れたり、上に乗っている子どもがバランスを崩して落下したりすることが大きな事故につながっているようだ。

   日本スポーツ振興センターによると、2013年度に全国の小・中学校や高校で組体操の最中に起きた事故は、あわせて8500件以上にのぼった。事故後に障害が残ったケースや死亡事故も報告されている。

   組体操の事故を調べている名古屋大学大学院教育発達科学研究科の内田良准教授は、組体操でのケガが増えている要因は、「巨大化、高層化、低年齢化」の3点という。内田氏は「組体操は最近の10年間で小学校でも行われるようになりました。それも7段、10段といった巨大なピラミッドです。そもそも、それを運動会前の、たった2週間ほどの練習で仕上げようとすることに無理があります」と指摘する。たとえば、7段のピラミッドともなると、高さは4メートルを超えて、ビルの2階相当にもなるという。

   また指導方法でも、たとえば土台になる人の手の位置について、「ある人は人と手が交錯しないように肩幅にすることと教え、別の人は肩幅より広めにして安定した姿勢をとるよう教えています。つまり、指導方法も統一されていないのが現状なんです」と話す。

   さらに、「事故に遭うのは子どもだけではない」ともいう。最近の組体操では、巨大なピラミッドやタワーを維持する代わりに、その周囲に教師を配置するのが安全対策の定番。しかし、「たとえばチアリーディングの場合は落下したときに、2人で1人を受けとめることがしっかり基準としてありますし、そのための練習もしています。ところが、組体操は1人で1人を受けとめ、しかも練習もありません」と、場当たり的な現状を憂いている。

滋賀・彦根市は、組体操「ガイドライン」を定める

   そんなことから、安全性を重視して、組体操に「高さ制限」などの規制を設ける自治体が増えてきた。

   愛知県の長久手市教育委員会は2015年3月、「人間ピラミッドの高層化は行わず、4段までにする」と上限を設けた。また、大阪市教育委員会も「ピラミッドは高さ5段まで、タワーは3段まで」と上限を定めた。

   組体操の規制について、橋下徹大阪市長は9月3日の定例会見で、「これまで先生たちが一生懸命努力してきたことは全部否定はしないけれども、実際に事故が多い、多発しているということがあるので、どこかで制限かけなきゃいけない。ああいうかたちで(高さに)制限をかけるといのは賛成です」と評価した。

   さらに、滋賀県の彦根市教育委員会は、安全に組体操を指導するためのガイドラインを定めた。ガイドラインは小・中学校向けで、3段以上の「ピラミッド」や「タワー」に挑戦する際には前後に2人以上の教師を配置することや、組体操が成功するまでマットで練習すること、運動会の2日前までに成功しない場合には難易度を下げることなどを明記。そのうえで、3段以上の難易度が高い技については、具体的な安全対策を計画書で示すよう求めた。

   自主的に規制を設けた学校もある。京都府の京田辺市立三山木小学校は、「安全を最優先し、児童の実態に応じて技を工夫したり、高さ制限(児童2人分程の高さまで)を行ったりしたうえで、組体操を実施することといたしました」と、9月1日付のブログで報告している。

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