高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
米国では出る杭は打たれる? VW不正騒動の背景を読む

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   最近驚いたニュースで、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の不正がある。報道によれば、米環境保護局(EPA)がVWのディーゼル車で排ガステストの時だけ排ガス量を減らす違法なソフトウェアが使われていたと発表した。

   どのようなソフトウェアなのかを想像したくなるが、ユーザー車検を経験した人なら、次のように考えるだろう。ハンドル操作が一定時間ない状態で、車体が動かず、駆動輪の回転が一定間隔で機械的に変化する場合には、「検査中」とソフトウェアが判断して、排気ガスを押さえるモードになる。

  • 米自動車市場への印象は・・・
    米自動車市場への印象は・・・

「テスト条件に最適化」ソフトを組み込んだ可能性も

   こうしたことは、「検査」には珍しくない。例えば、新式のパソコン商品がでるとき、ベンチマークという性能テスト結果があわせて公表される。そして、それが前の商品との性能差になる。商品を一定条件下でテストするわけだが、そのテスト条件に合わせて商品のパフォーマンスを最適化するのは、どこのメーカーでもやっていることだ。

   今回のVW事件でも、テスト数値の改ざんであれば問題外だが、EPAの設定したテスト条件が実際の走行条件とあまりにかけ離れていて、それをVWに見透かされて、VWがテスト条件に最適化しているソフトウェアを組み込んだ可能性も捨てきれない。もっとも、EPAに自動車メーカーが勝負しても勝てるはずないので、EPAが不正といえば不正になってしまうだろう。

   どうも米自動車市場では、出る杭は打たれるという印象がある。そういえばトヨタもアメリカ市場では安全問題で制裁課徴金を課せられたこともあったが、原因が運転ミスなのか構造上の欠陥なのか釈然としなかった。

   VWも、2015年1-6月期の世界販売台数が504万台と、トヨタを抜いて上半期で初の首位に立った矢先の事件だ。

「絶妙のタイミング」だったスズキの提携解消判断

   それにしても、先(8)月にVWとの提携を解消したスズキはなんという絶妙のタイミングだったのか。鈴木修会長の記者会見を読み直してみると、「愚痴は避けたい。過去については『沈黙は金なり』ということで、コメントは差し控える」と意味深だ。

   ただ、VWとスズキの提携目的は環境技術の協力であったが、それについて鈴木会長は「2009年12月に契約を結んだが、1年ほど経過したところで様々な行き違いが生じ、2011年に提携解消を申し入れた」とも話している。VWの排ガス不正は2009年からなので、ディーゼル車は燃費のよさが特徴であるが、VWがその技術を教えなくなった事情があったのではないかと勝手に想像している。

   VWは、今回の事件で、ウィンターコーン最高経営責任者(CEO)が辞任するなど屋台骨がぐらぐらだ。制裁課徴金は2兆円を超えるとも報道されている。

   いずれにしても、結果としてVWが信用を失う中で、神がかり的なタイミングでVWとの提携を解消したスズキには、先見の明があったといえよう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)、「図解ピケティ入門」(あさ出版)など。


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