多国籍企業の税の抜け穴は本当に塞げるのか アマゾンの「倉庫」も収益で課税される?

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   グローバルに活動する多国籍企業の過度な節税策を許さない国際的なルールが固まってきた。

   税率が低い租税回避地(タックスヘイブン)などを活用している企業への課税強化などが柱で、経済協力開発機構(OECD)加盟国を中心に40数か国が加わる見通しだ。

  • 各国がどれだけ足並みをそろえて税制を見直すかが鍵(画像はイメージ)
    各国がどれだけ足並みをそろえて税制を見直すかが鍵(画像はイメージ)

子会社への特許やブランド売却も対象に

   これまでの多国籍企業による節税としては、スターバックスの英国法人がオランダの関連企業に商標使用権を与え、割高なロイヤルティー(権利使用料)を支払うことで節税していたとされるのが典型的なケース。このほか、アップルがアイルランドで、アマゾン・ドット・コムがルクセンブルクで、法人税の優遇措置を受けていたことが、欧州連合(EU)から「公正な競争条件を整えるEUの規定違反」と指摘された。

   日本がらみでは、アマゾンの米国販売会社が日本の顧客との取引で得た所得を日本で申告していなかった問題が2009年に明らかになった例がある。米国の会社と日本の消費者のオンライン取引であり、日本法人は日本国内に倉庫などを置いて米国から物流業務などを委託されるだけだというのがアマゾン側の理屈で、同社が日本の追徴課税に不服を申し立て、日米税務当局の協議の結果、課税額が減らされた。

   こうした「過度の節税」への批判の高まりを受け、34か国でつくるOECDの租税委員会が、3年に及ぶ検討を経て、2015年9月22日、最終報告をまとめた。これを受け、11月の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で合意する見通しだ。各国への強制力はないが、OECD非加盟の中国など新興国も含む主要国が、「税の抜け穴」を塞ぐ共通ルールへ一歩を踏み出す。

   新ルールの最大のポイントが、特許やブランドなどの知的財産権を使ったスタバのようなケース。今回の合意では、高い価値の知的財産権を実勢より安価で子会社に移したことが分かれば、追徴課税できるようにするとし、具体的には、移した時の譲渡額と、しばらくたってからの評価額に25~30%以上の差が一定期間あれば、課税できることになる。

   アマゾンなど進出先の国で倉庫などしか持たない問題では、例えば倉庫が親会社のビジネスの重要な部分を担うと認められるなどすれば、「収益を上げた国・地域が適切に課税できる」ようにする。

「節税で株主利益」の時代は過去に

   紛争処理では、本国と進出国の二重課税をめぐって国と企業が10年以上裁判などで争う例も少なくないが、今回、最長2年程度で問題を解決するルールを確認したことで、無駄な時間とコストかける必要がなくなる。

   さらに、多国籍企業に、進出先の国ごとの経済活動や納税計画を、各税務当局に提出することを義務づけることも盛り込んだ。

   これまで多国籍企業への課税は、各国の徴税権が尊重され、争いが生じた場合は2国間で協議することが多かった。今回の新ルールに強制力はなく、各国が今後どこまで税制を見直すかは未知数で、OECDに加盟していないタックスヘイブンはルールの対象外のため、抜け穴を完全に塞げるわけでもない。

   しかし、中国、インド、ブラジルなど新興8か国を含む統一ルールの策定は「画期的」(国税当局者)といえ、企業への影響は大きそうだ。

   例えば、英ボーダフォンは「英国政府に3億5500万ポンドの直接税を払った」という詳細な納税情報をネット上で開示。ネスレやカールスバーグなども毎年の納税額を公表しているほか、英石油大手BPは今後、国別の納税額も明らかにする方針と伝えられる。「節税を含め、利益を最大化して株主に還元する、という欧米企業も変わり始めた」(経済産業省関係者)というわけだ。

   日本企業の多くは、海外展開していても節税に積極的ではなかったとされ、国際ルールの統一は、「競争上の不利が減り、経営にプラスになりうる」(同)。ただし、海外子会社の情報を税務当局に報告することが義務付けられるなど、文書作成の事務負担が重くなることに不安を持つ企業もあるという。

   ただ、新ルールには加わる中国など新興国では、「グローバルスタンダードからかけ離れた独自の課税をされることがある」(同)という現状が、一朝一夕で改まるはずはないとみられている。

   各国がどれだけ足並みをそろえて税制を見直すか、今後も監視が必要で、OECDによる各国の制度整備の点検が重要になりそうだ。

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