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ノーベル文学賞、ベラルーシのアレクシエービッチ氏に 村上春樹氏、今年もまた受賞逃がす

   ノーベル文学賞の有力候補と目されてきた小説家・翻訳家の村上春樹氏(66)が、今年の受賞を逃した。2015年10月8日(日本時間)、スウェーデンのノーベル財団が発表したところによると、今年のノーベル文学賞はベラルーシのスベトラーナ・アレクシエービッチ氏に贈られる。

   スベトラーナ・アレクシエービッチ氏は1948年、ウクライナに生まれた。父親の軍隊除隊後、ベラルーシに移住した。

   ジャーナリストとして活躍した後、第二次世界大戦に従軍した女性らに取材した『戦争は女の顔をしていない』や、ドイツ侵攻当時に子どもだった人の体験談を集めた『ボタン穴から見た戦争』を発表した。

   1988年にはソ連に介入されるアフガニスタンを取材し、『アフガン帰還兵の証言』で隠されていた事実を明らかにし、軍や共産党の新聞から攻撃された。チェルノブイリ原発事故に遭遇した人たちの証言を集めた『チェルノブイリの祈り』は数々の賞を受賞。

   ルカシェンコ独裁政権の言論統制から逃れ、西ヨーロッパを転々とし、2011年に帰国した。上記作品は日本語訳もされており、来日して講演を行ったこともある。

   惜しくも落選したかたちの村上氏は、いま最も世界で注目される日本人作家として、ここのところノーベル文学賞の有力候補の「常連」となっていた。今年も前評判が高く、英国などの複数の大手ブックメーカー(賭け屋)による予想で2番人気となっていた。