メガバンクが再び持ち合い株の大量売却 金融庁が渋る銀行に鞭を振う理由

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   メガバンクが、取引先企業との持ち合い株の売却を加速しようとしている。株価の変動が経営に与えるリスクを抑えるためで、金融庁も銀行の尻を叩いている。

   大手銀は1990年代のバブル崩壊後、持ち合い株を含む保有株の売却を進めてきた。それでも3メガバンクは2015年6月時点で株を6兆5000億円(取得原価ベース)も抱えている。

  • 金融庁はメガバンクの持ち合い株削減に強い姿勢
    金融庁はメガバンクの持ち合い株削減に強い姿勢

株売却額の数値目標も検討

   これらは、実は、銀行としてはなかなか売りにくい株なのだ。旧財閥のグループ企業をはじめ、メインバンクになっている特別に親密な取引先などだからだ。銀行は長年、取引先企業の株式を持つ見返りに、融資などの取引を増やしてきた経緯もあり、売却を進めれば企業との取引が細る恐れがある。あるメガバンク関係者は「売れる株はもう売ってしまっており、これ以上売るには企業との交渉が大変だ」と漏らす。

   だが、金融庁は銀行に強力に鞭を入れている。9月18日に発表した、今事務年度(2015年7月~2016年6月)の金融行政方針で、増大する市場リスクへの対応を進める考えを強く打ち出した。具体的には、金融システム全体の潜在的なリスクを分析する「マクロプルーデンス」を専門とする部署を新設し、市場が大きく揺れ動いた際にメガバンクの経営が安定するかどうか負荷をかけて調べるストレステストの実施状況を点検する。メガバンクの経営・リスク管理体制向上のため、国際的な巨大金融機関への規制強化をにらみ、自己資本の積み増し(増資など)を求めるとともに、持ち合い株の削減が着実に進むか注視する姿勢を明確にした。

   これを受け、メガバンクは持ち合い株を減らす準備を進めているが、闇雲に、または恣意的に進めるわけにはいかない。このため、「株の保有基準」を決め、これをクリアしている株は持ち続け、基準に合致しない株は売却する、というような透明性を重視する考えだ。「株を売却する場合、相手企業の理解を得るには『こういう理由で売った』と説明できる客観的材料が不可欠」(メガバンク関係者)というわけだ。

   純投資以外の目的で東海旅客鉄道(JR東海)、東日本旅客鉄道(JR東日本)、第一生命保険、キヤノン、クボタ、富士重工業などの株を持つみずほは、まず機械的な数値基準で判断する。株を持つ取引先の企業への融資や金融商品の販売といった取引から得られる利益や配当から、営業コストや貸し出しの引当金を差し引いた値を算出し、資本コストや株価変動リスクと比べて十分な水準があれば「採算がとれている」とみて保有を続ける――といった基準だ。

   基準に達しない場合も、即売却というわけではない。第2段階の「総合判断」に進み、採算性が改善する見込みがあるかないかを検討し、改善が見込めなければ、長年持っていた株式でも売るという。ただし、再生途上にある企業や、過去にみずほの経営が苦しかった時に増資に協力した企業などは、ある程度の配慮をするという。

   三菱UFJ・FGは「総合取引RORA(リター ン・オン・リスクアセット)」という新たな基準を設け、みずほFGと同じように収益と費用、リスクが見合っているかを判断する。試算では、新基準を満たさない株式が2割(単純計算で7000億円超)に上るといい、まずは対象企業に採算の改善を求めていく方針だ。三井住友FGも同様に指標をつくり、売却額の数値目標を出すことも含めて検討している。

銀行、企業双方に緊張感もたらす

   今回、メガバンクが持ち合い株削減に動く背景には、金融庁の方針とともに、上場企業が守るべき指針を示した「コーポレートガバナンス(企業統治)コード」がある。2015年6月から適用されているもので、株を保有する企業は、株主として、企業に収益を上げるように働きかけることが求められるようになった。「物言わぬ株主」ではだめということで、この務めを怠れば、今度は自らの株主に怠慢を指弾されるということになる。

   他方、銀行による株の売却対象になった企業は自ら新たな株主を探す必要があるが、これが経営に緊張感をもたらす効果もある。

   バブル時代までは、保有株の含み益は日本の金融機関の強みだったが、バブル崩壊で一転して巨大なリスクに転じ、金融危機を経て2002年には銀行等保有株式取得機構をつくって売却を進めた。しかし、最近は保有株削減ペースの鈍化も指摘される。金融庁の持ち合い株削減への強い姿勢は、メガバンクのリスク管理が緩まないよう、改めてタガを締め直す狙いもありそうだ。

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