2024年 4月 24日 (水)

アマゾン「1時間以内にお届け」 過熱する「配達の速さ」競争

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   インターネット通販が配達時間の速さを競っている。アマゾン・ジャパンが「Amazonプライム」会員向けの新サービスとして、午前6時の注文から翌日深夜1時までに、買った商品を1時間以内に届ける「Prime Now」を開始した。

   楽天は、食料品や日用品などを最短20分で届けるサービスを2015年8月から始めている。いまや翌日や当日の配達は当たり前。「時間」や「分」を競う時代になってきたようだ。

  • ネット通販が配達の「速さ」を競っている!(画像はイメージ)
    ネット通販が配達の「速さ」を競っている!(画像はイメージ)
  • ネット通販が配達の「速さ」を競っている!(画像はイメージ)

アマゾン、食料品や日用品、家電など約1万8000点を取り扱い

   アマゾン・ジャパンが2015年11月19日に発表した「Prime Now」は、年会費3900円(税込)で「お急ぎ便」や「お届け日時指定便」を追加料金なしで無制限に使える「プライム会員」が対象。サービスを利用するには別途送料890円と、スマートフォン専用のアプリケーション「Prime Now」が必要になる。

   注文は1回あたり2500円以上で、商品は1個から利用できる。注文のときに詳細な配送方法を指示できたり、配送時にはGPS機能を使って配送状況を確認できたりする。

   注文の受付時間は6時~23時59分。配達は深夜1時まで。また24時間の注文時間で、配送時間が6時から深夜0時のあいだ2時間単位の配達時間を選べる、配送料無料の「2時間便」の2種類から選べる。

   サービスの対象エリアは、東京都世田谷区、目黒区、大田区、品川区、渋谷区、港区、杉並区、新宿区(一部除く)で、順次広げていく。対応する商品は、食料品や日用品、ペット用品、本、おもちゃ・ゲーム関連、文具、家電、パソコン周辺機器など約1万8000点を、幅広く取り扱う。

   一方、楽天の「楽びん!」は注文から最短20分で届ける。スマホ専用のアプリで24時間いつでも注文することができて、買った商品を自宅などに専用の配送車で届けてくれる。受け取りも24時間可能だ。

   東京都内に設けた専用倉庫を中心に、地域内で複数の配送車が回遊。独自に開発したシステムで注文内容や位置情報などをもとに、商品を一番速く届けることができる配送車に自動的に配達を指示することで短時間での配達を実現した。

   配送料はスタッフが玄関先などまで届ける場合で770円、高層マンションの下など配送車の脇で受け取る場合は390円。対象は渋谷区や目黒区、世田谷区、港区の一部地域にある自宅やオフィスなどで、飲料や菓子のほか、洗剤やトイレットペーパーといった日用品など、約450点を取り扱う。対象地域や商品数の拡大は今後検討するとしている。

配送サービスの「速さ」で生き残り...

   野村総合研究所(2014年12月発表)によると、ネット通販の市場規模は2014年度に12兆8000億円、2020年度には25兆1000億円に拡大するとみている。14年度から20年度までの年平均成長率は11.9%になる。

   高齢者世帯や共働き世帯などが増え、その利用が見込まれている一方で、事業者間の競争は激しくなるばかり。そんな中で、家電量販店のヨドバシカメラの配送サービスが好評だ。同社は通販サイトのヨドバシ・ドット・コムと店舗のサービスを2015年6月に統合。「ネットで注文、店舗で受け取り」を可能にしたほか、取り寄せ商品やお持ち帰りできない商品の配送料を「無料」にした。

   しかも商品を注文した当日に受け取れるエリアは、全国の人口カバー率で75%、翌日配送だとそれが98.6%にも達する。東京都内の一部地域では、ネットでの注文から6時間ほどで配送できるとされる。品揃えも家電製品はもちろん、キッチン周りや文具・オフィス用品、化粧品、コメや飲料、野菜まで取り揃えているというから、家電量販店の領域を超えている。

インターネットには、

「昨晩ヨドバシで頼んだのが朝一番で届いた。スゴイ!」
「Amazonも安いけど、年間3900円払わないと当日には届かないから、ヨドバシで買うことが増えた。Amazonよりは少し高いけど、ポイントも加えると同額か少し安い」

といった声が寄せられている。

   配送サービスをめぐるネット通販の競争は「時間指定」や「翌日配送」はもはや当然で、最近は「無料」や「当日配送」が主流。さらに「速さ」が求められるようになった。

   ただ、ネット通販の利用が急増したことで、宅配便の物量も増加。2013年には佐川急便がアマゾンとの取引から撤退。ヤマト運輸への負担が集中したこともあり、アマゾンに限らず、どの通販サイトも「自前配送」を余儀なくされてきたとの見方がある。

   自前配送により、物流網の整備や人員増などのコストアップが予想されるなか、「速さ」へのこだわりは、配送サービスの充実なしには生き残れないとの危機感があるとみられる。

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