診療報酬改定で「薬はジェネリック」目指す厚労省 医師会vs財務省・健保の攻防はどうなるのか

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   医療サービスの公定価格にあたる2016年度の診療報酬を改定する議論が本格化している。

   引き下げを求める財務省、これに反対する日本医師会というお決まりの構図だが、薬代部分の「薬価」を引き下げるのは既定路線で、医師らの技術料など「本体」部分がマイナスになるかが焦点だ。

  • 2016年度の診療報酬改定の最大の焦点は「ジェネリック」の拡大だ
    2016年度の診療報酬改定の最大の焦点は「ジェネリック」の拡大だ

このままでは社会保障制度の維持が困難に

   2015年度予算における社会保障関係費は31兆5000億円で、一般会計歳出(96兆3000億円)の32.7%を占める。2014度当初予算比1兆円(3.3%)の増だ。ただでさえ1000兆円を上回る世界最大の赤字を抱える中で、高齢化の進展により、このまま社会保障費が増え続けると、制度の維持が困難になることから、政府は2016年度から2018年度までの3年間の社会保障費の伸びを1兆5000億円程度に抑えるという目安を、財政健全化計画の中に盛り込んでいる。平均して年間5000億円の伸びに抑えるということだ。

   厚生労働省は8月末の2016年度予算に向けた概算要求で、高齢化に伴う年金・医療費などの社会保障費の自然増を6700億円と見積もっており、5000億円を上回る超過分1700億円の圧縮が必要という計算になる。社会保障関係の大きな制度改正などが2016年度はないため、2年に1度の診療報酬改定で、超過分の大半を飲み込まなければならず、予算編成の最大の焦点になっている。

   前回(2014年度)の改定では、診療報酬全体では0.1%増だったが、消費増税に伴うコスト増を除いた実質ではマイナスだった。今回引き下げれば実質2回連続、名目では8年ぶりのマイナスになる。本体・薬価ともにマイナスになれば10年ぶりだ。

欧米並みのジェネリック8割が当面の目標

   薬価については、これまでも毎回、実勢価格下落に合わせ1~2%程度下げてきた。2016年度も同水準の引き下げをする見通しだ。その中身で、最大のポイントが、新薬に比べて価格が安い後発薬(ジェネリック)の処方割合を、現在の4割台から、2020年度までに欧米並みの8割に引き上げるという政府目標達成にどう道筋をつけるか。また、患者の約55%が「医薬品が余ったことがある」としている調査結果(厚労省2013年度)を踏まえ、複数の医療機関から何種類もの薬をもらっているケースなどの改善策も課題だ。

   さらに厚労省は、先発薬の6割になっているジェネリックの公定価格を5割に引き下げる方針。財務省は、先発薬でも特許が切れた後は薬価を引き下げるよう提案しており、将来的には、ジェネリックの価格までしか保険適用を認めず、特許切れ先発薬との差額は自己負担とするよう求めている。また、処方箋なしでも買える市販品類似薬は保険の適用外にすべきだとしている。

「国民への還元」か、「地域医療の崩壊」か

   「本体」部分では、特に、薬剤師の技術料といえる調剤報酬が削減の主ターゲットになりそうだ。厚労省は特定の医療機関の処方箋を集中的に受け付ける「門前薬局」で、服薬指導など「かかりつけ薬局」の機能を果たしていない場合は報酬を減額する方針。財務省はさらに、加算要件など細かい見直し方針を示している。

   そのほか、議論になるのが「患者7人に看護師1人」と手厚い配置の重症患者向けの急性期のベッド数。報酬額も最も高いが、当初の厚労省の想定を大きく上回って広がり、多すぎると指摘される。前回の2014年度改定で削減を促すため要件が厳しくなったことから、2014年3月時点の約38万床が、2015年4月時点では約36万4000床に減ったが、なお過剰との指摘がある。

   医療のユーザーである健康保険組合連合会など6団体は2015年11月18日、診療報酬引き下げを求める要請書を塩崎恭久厚労相に提出。「薬価の引き下げ分を診療報酬本体に充当せずに国民に還元する必要がある」として、「本体」部分も引き下げるよう訴えた。重症患者向けのベッド数についても、さらに絞り込むよう主張。一方、日本医師会(日医)は強く反発。「さらなるマイナス改定は地域医療の崩壊をもたらす」(同11月5日、横倉義武会長)と、財務省の方針を批判している。

   日医は来春に会長選を控えており、大幅なマイナス改定には自民党内に来夏の参院選への影響を懸念する声もあり、「最後は政治判断」(財務省関係者)になる。

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