東京の税収はさらに地方に回されるのか? 消費増税の影で「地方法人税」めぐる攻防

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   企業が納める地方税の税収格差を是正するための議論が、2015年末にかけて本格化している。背後には2017年4月に予定される消費増税がある。

   都道府県税の「地方法人事業税」と、都道府県と市町村が折半する「法人住民税」の、いわゆる「法人2税」の一部は既に国税化され、東京など豊かな自治体から税収が少ない自治体に回されているが、政府はこの拡大を目指している。ただ、税収を吸い上げられる東京都などは反発しており、議論はなお曲折が予想される。

  • 東京に企業が集中することで、自治体間の税収格差が広がっている
    東京に企業が集中することで、自治体間の税収格差が広がっている

東京一極集中で進む自治体間の税収格差

   人口が集まって税収が豊かな都市から、税収が少ない地方への再配分では、もともと「地方交付税」があり、所得税、酒税、法人税、消費税、たばこ税の国税5税の一定割合を財源として自治体財源の不足に応じて交付されている。

   しかし、東京一極集中が進む中、税収の都市偏重がさらに目立ち、中でも企業の集積度合いが反映する法人2税の格差が拡大している。地方税収全体では、住民1人当たりの税収格差は最大2.6倍(東京都対沖縄)なのに対し、法人2税は、最多の東京は最も少ない奈良の6.3倍に上る。このため、2008年度から法人事業税の約4割を「地方法人特別税」として国庫に入れ、税収の少ない地方に再配分するように改革。さらに、2014年度からは法人住民税のうち約6000億円を国が吸い上げて再配分する仕組みを導入している。今回は、これをさらに拡大しようというのだ。

   国が再配分を強化しようとしているのは、東京一極集中のためだが、特に消費増税に伴う格差拡大を是正する狙いがある。2014年の改革は、まさに、消費税率が5%から8%に引き上げられるのに伴って実施されたもので、現在の議論も2017年度の消費税率10%への引き上げをにらんだものだ。

消費増税で東京都の税収は膨らむ

   どういう理屈か。消費税は現行8%のうち1.7%が地方分だが、2017年4月に10%に税率が引き上げられると地方分は2.2%になると決まっている。地方交付税の制度では、交付を受ける自治体は消費増税によって税収が増えると、交付税を削られる。逆に、財政が豊かで交付税を受けていない東京都などの「不交付団体」は、消費税収が増える分が純増になる。こうした税収の偏りを是正する何らかの措置が必要というのが、今回の議論だ。

   もちろん、税源を召し上げられる東京都などは抵抗している。この問題を話し合う総務省の有識者検討会が2015年10月9日に開かれた際、東京都の安藤立美副知事は、一般財源で比べた1人あたりの額は都が21.3万円と、全国平均の23.1万円を下回っているとの試算を示し、今後、都の高齢者人口の急増が見込まれることなど「膨大な財政需要があり、収入のみをみて格差を議論するのは不合理だ」と指摘した。

   東京都の舛添要一知事はこれより前、消費税率10%への引き上げに合わせて国が実施しようとしている税制改正によって、都の税収減少額が現在の年3600億円から同5800億円に拡大する可能性があるとの試算を明らかにしている。

地方へ回す財源を幅広く検討

   今後の議論の方向性は、ある程度見えている。

   2014年度の税制改正大綱では、消費税率が10%になった段階で「地方法人特別税」を廃止する一方、「それに伴う代替措置などを幅広く検討」するとし、「法人住民税の地方交付税原資化をさらに進める」と、具体的に書かれている。法人住民税を調整のための主な財源にし、地方法人事業税から召し上げて配分する特別税は廃止も考える、ということだ。15年6月に閣議決定された経済財政運営の「骨太の方針」でも「税源の偏在(格差)是正策を講ずる」と明記している。2017年4月からの消費税率10%へのアップをにらみ、15年末の2016年度税制改正大綱に、新たな制度を盛り込もうというのが総務省の方針だ。

   東京都の舛添知事は、自治体間の税源の奪い合いでなく、思い切った税源の地方移譲といった「大きな構造改革」を訴える。それは正論としても、制度改正の方向性がかなりはっきりしているうえ、東京都など一部の裕福な自治体を除く圧倒的多数の自治体が格差是正措置を切望する立場だけに、東京都の分の悪さは否めない。東京五輪をめぐる新国立競技場の負担も決まったが、「政権とのパイプ」をPRして当選した舛添知事はどんな手腕を見せるのか。

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