スズキのインド逆輸入「バレーノ」はなぜ「軽」ではないのか 世界戦略の成否を握るハッチバック

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   スズキは2016年3月、インドで生産した小型ハッチバック車「バレーノ」を逆輸入し、日本での発売を始めた。インドからの逆輸入は初めてだ。

   スズキが1983年からインドで生産を始めて33年。今や、インドは日本や中国、インドネシア、タイなど主な生産拠点の中で、生産台数が全体の約4割を占めるまでに成長した。

  • スズキは国内の小型車市場でのシェア拡大を狙う(画像はスズキのリリースから)
    スズキは国内の小型車市場でのシェア拡大を狙う(画像はスズキのリリースから)

インドでは半年足らずで4万台販売

   バレーノはインド子会社「マルチ・スズキ・インディア」のマネサール工場で生産されており、エンジン排気量が1.2リットルのモデルと、1リットルのターボ搭載モデルがある。新開発のプラットフォーム(車台)を採用して軽量化を実現し、燃費性能をガソリン1リットル当たり20.0~24.6キロとした。

   国内で発売が始まったのは1.2リットルモデルで、ターボ搭載モデルも16年5月には投入される予定だ。自動ブレーキなどの安全装備も搭載しているが、インドで生産したことでコストを抑え、価格は141万4800円(ターボ搭載モデルは161万7840円)とした。インドでは2015年10月の発売から、これまでに約4万台が売れた。日本に続き欧州にも投入する計画で、スズキの世界戦略車でもある。

   これまで日産自動車や三菱自動車なども逆輸入の経験があるが、日本では自動車は国産信仰が根強く、逆輸入車が受け入れられているとは言い難いのが実情だ。この点に対し、鈴木修会長は記者会見で「マルチのレベルも日本のレベルに到達した」と品質の高さを強調し、販売にも自信をみせた。当面、2モデルで年間6000台の販売を見込んでいる。

   バレーノの国内販売に対し、ネット上では「アジアンカーが日本で売れるかな」「インドってところが気になる」「デザインが日本で受け入れられるのか」「欧州車買うだろ」といったコメントが並ぶ。

軽自動車税の増税が転機

   スズキといえば、主力は軽自動車だ。それが、なぜ小型車の逆輸入に踏み切ったのか。

   国内では2015年4月から軽自動車税が増税されて軽市場は販売不振が続いており、今後も成長は期待できない。そこで小型車市場でのシェア拡大を狙い、販売強化に向けてバレーノの逆輸入に踏み切ったわけだ。15年に7万6000台だった小型車販売を10万台以上に引き上げる目標を掲げており、バレーノで弾みをつける考えだ。

   厳しい国際競争にさらされる自動車メーカーだが、スズキは「日本で作るよりもコスト的に安いメリットがある。このバレーノは一番量が出るのがインドだからインドで作る」(鈴木会長)というように、スズキは車種ごとに出荷量の多い工場に生産を集中させるなど世界の生産拠点の再編を進めている。それだけに、逆輸入の成否は今後のスズキの世界戦略に大きな影響を与える。

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