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JAL入社式3時間前にシステム障害 その時、予定の「松井秀喜の出番」は...

   相次ぐシステムトラブルで、大手航空2社にとっては憂鬱な「年度またぎ」になった。欠航などで利用者に多大な迷惑をかけている横で華やかなPRをするわけにもいかず、イベントが続々と中止になっているのだ。

   特に「間が悪い」のが日本航空(JAL)で、入社式の3時間前にシステム障害が発生。式の中で予定されていた先輩社員による「出し物」や、サプライズゲストとして登場した元大リーガーの松井秀喜さん(41)との企画が中止になるなどした。

  • 松井さんはJALの入社式で「練習」の重要性を説いた
    松井さんはJALの入社式で「練習」の重要性を説いた
  • 松井さんはJALの入社式で「練習」の重要性を説いた
  • システム障害で羽田空港のチェックインカウンターには長い列ができた

ANAは「スター・ウォーズ」特別機のプレス発表見送る

   年度末にシステムトラブルを起こしたのは全日空(ANA)。3月22日、国内線のチェックインやチケットの販売に関連するシステムに障害が起き、翌3月23日にかけて計146便が欠航。約1万8400人が影響を受けた。

   ANAは映画「スター・ウォーズ」のキャラクターを描いた特別機を3機運航している。システムトラブルで、このキャンペーンに影響が出た。3機目の塗装がこのほど完了し、3月27日には抽選で選ばれた人向けのお披露目イベントが伊丹空港で行われたが、報道陣への公開は見送られた。3月28日には全3機が羽田空港に集結したが、3月24日には報道陣向けの公開を見送る、とJ-CASTニュースにも連絡があった。

チアダンスとキャッチボール企画も中止に

   JALのシステムトラブルは年度が変わった4月1日に発生。朝の7時48分頃から重量管理システムが約2時間にわたって障害を起こし、羽田発着の計46便が欠航。約6670人の足に影響が出た。入社式は、それから3時間後の10時45分に羽田空港の格納庫で始まった。当初は客室乗務員(CA)によるチアダンスチーム「JAL JETS」による演技や、松井さんとのキャッチボール企画が予定されていたが、いずれも中止された。この日はJALとポイントサービス「Ponta」(ポンタ)の提携記念イベントも予定されていたが、中止になった。

   植木義晴社長は入社式後の囲み取材で、

「本当に皆様にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。必ずや早期に原因究明し、二度とこのようなことがないよう万全を尽くしたい」

と頭を下げた。

   松井さんは入社式のあいさつで、現役時代を振り返りながら

「幸運だったことは、私自身、決して野球に対して器用ではなかった、どちらかと言えば不器用だったということ。そのことを自分自身認識していた。不器用だということは、やはり練習しなくちゃいけない。日々、うまくなるためにはどうしたらいいか、そのことを考えながら練習してきた。また、その練習するという行為が苦にならなかった。それが私にとって幸運なことだった」

などと「練習」の重要性を説いていた。松井さんは02年から04年までJALのイメージキャラクターを務めた。契約が切れた後も日米を往復する際はJALを利用し、契約終了から5年が経った10年1月にはJALが会社更生法の適用を申請して破綻。その直後に松井さんが

「けっして忘れないでほしいと思う。JALを応援する人が、ここにいることを」

というメッセージを送り、JAL社員に感謝されたことは広く知られている。