セブン&アイ、「絶対権力者の後継」は誰なのか? からみあう社内の複雑な「力関係」

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   流通大手セブン&アイ・ホールディングス(HD)会長兼最高経営責任者(CEO)の鈴木敏文氏(82)が2016年4月7日に突然、辞任を表明したことは、社内をはじめ流通業界を大きく揺さぶっている。

   世界からも評価される日本のコンビニエンスストアを育て挙げた鈴木氏は、いわば流通業界のカリスマ。退陣表明の背景は、社内の複雑な力関係がからみ合っているが、絶対権力者として君臨した鈴木氏の後継問題が大きく影響しているとの見方は強い。

  • 雑誌やインターネット上のコラムでは、鈴木氏の次男が後を継ぐのではないかとも見られている(2015年11月撮影)。
    雑誌やインターネット上のコラムでは、鈴木氏の次男が後を継ぐのではないかとも見られている(2015年11月撮影)。

鈴木氏はなぜ、井坂解任で強行突破を図ったのか

   鈴木氏が辞任を表明した直接的なきっかけは、セブン&アイが7日に開催した取締役会で、鈴木氏が主導していた人事案が否決されたことだ。HD傘下の中核会社、セブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長兼最高執行責任者(COO、58)を退任させようというもので、「セブン―イレブンの社長は最高7年任期でやってきて、井阪君も7年やった」という点のほか、「(井坂氏から)改革案はほとんど出てこなかった」ことなどが理由とされた。井坂氏の能力に見切りをつけたということだ。「おでん」をコンビニの人気商品に育て、銀行を設立してATMを配備するなど、次々に新機軸を打ち出し、成功させ、コンビニを成長させてきた鈴木氏にとって、「井坂氏は物足りなかった」と指摘する関係者の声は、それなりに納得できる。

   この人事案否決を受け、鈴木氏は取締役会後に辞任を表明した。記者会見で鈴木氏は「(私が続投すれば)将来に禍根を残す」と説明した。ただし、「私の不徳の致すところ」の一言で、すべてを飲み込んで去っていくという、通常のスタイルとは異なり、恨みつらみを延々と語る異例の会見になった。鈴木氏は会見で、井坂氏が退任を一度は受け入れながら、2日後に撤回したこと、さらに、セブン&アイHDの株式の約10%を保有する創業家の伊藤雅俊・名誉会長(91)が井坂氏解任に反対したことなどまで語ったのだ。

   そもそも井阪氏の人事をめぐっては、セブン―イレブンの業績が好調なことから、「交代する理由がない」と社内でも批判が上がっていたのを、鈴木氏が推し進めようとした。取締役会に先立つ「指名・報酬委員会」(鈴木氏、村田紀敏HD社長と社外取締役2人の計4人で構成)で、社外取締役2人が反対して「決定」できなかったまま、取締役会に諮るという強引さは、誰が見ても、首をかしげるものだ。なぜ、鈴木氏は強行突破を図ったのか。

「長男後継」説をめぐって飛び交う社内外の風評

   そこで注目されるのが、大株主で「物言う株主」として知られる米ヘッジファンド「サード・ポイント」が発した疑問だ。3月末、書面で「(人事案は)鈴木会長が次男の康弘氏(HD取締役、51)をやがてはHDトップに就ける道筋を開くためではないか」という趣旨の指摘をし、「血縁関係を理由に幹部を昇進させることは正当化されるものではない」と批判した。この指摘にうなずいた関係者は少なくないとされる。

   康弘氏は2015年5月、HDの取締役に就任したが、その能力や経歴、社内での実績からみて、「大抜てきは不合理」(関係者)との見方も浮上した。そのため、「康弘氏後継説」が雑誌やインターネット上のコラムなどをにぎわし始め、サード・ポイントは、まさにその点を突いてきたわけだ。

   ここ十数年にわたり、「セブン&アイの最大の懸念は後継問題」とも言われてきた。「流通の神様」とも呼ばれる鈴木氏の下で、鈴木氏のメガネにかなう後継者はなかなか生まれなかったためだ。有能な経営者に強く依存する体質が後継者育成の厚い壁になってきたともいえる。

   そんな中で、にわかに持ち上がった鈴木氏次男の後継観測。鈴木氏は会見で「なぜ息子の話が出てくるのか。考えてもいない話を社内で言われるのは私の不徳のいたすところだ」と否定したが、「取締役に就けたこと自体、社内でも違和感を感じた者は多い」(関係者)のが実態だった。鈴木氏の真意は不明だが、「鈴木氏は、世襲に反対の立場をとっていた井阪氏が邪魔だったのでは」(業界関係者)との声も聞かれるように、「後継者」をめぐる一連の展開の中で、鈴木氏の社内の求心力は急速に低下していった。

   鈴木氏を側近として支えてきた村田HD社長(72)も退任の意向を固めたとされ、後任のHD社長人事が最大の焦点で、井坂氏の昇格説がささやかれる一方、今回の取締役会では井坂氏解任に15人の取締役のうち7人は賛成したという事実もある。近いうちに指名・報酬委員会を開いて人事案を固め、4月19日の取締役会で決議することになっている。しかし、5月下旬の株主総会で新体制がすんなりと決着するかは、予断を許さない。

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