コンビニ「イートイン」は必ず大混乱する 「軽減税率Q&A」公表でわかったこと

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   予定通りなら、2017年4月からの消費税率の10%引き上げに伴い導入される「軽減税率」について、国税庁は適用の対象品目の「線引き」などの具体的な事例をまとめた「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」を2016年4月12日、ホームページに公開した。

   Q&Aは「飲食料品の範囲や提供」や「外食の範囲」「レシート(領収書)の記載」などの75項目から成るが、イートイン・スペースがあるコンビニエンスストアや商品を持ち帰りできる外食店などでは、早くも大混乱を来しそうな内容となっている。

  • 軽減税率の導入で、コンビニは大混乱?(画像はイメージ)
    軽減税率の導入で、コンビニは大混乱?(画像はイメージ)

ノンアルコールビールは「8%」、みりんは酒類で「10%」

   国税庁が公表したQ&A(事例集)によると、軽減税率は、主に酒類と外食を除く飲食料品に適用される。17年4月以降、消費税率が10%に引き上げられた場合でも、適用対象の品目の税率は8%に据え置かれる。

   Q&Aは、飲食料品(食品表示法で規定する食品)などの適用対象の「線引き」が紛らわしいケースについて見解を示したもので、消費者や事業者が商品の購入・販売するときに役立ててもらう狙いがある。

   Q&Aでは、飲食料品の範囲を「飲食用に供されるもの」と定め、同じ商品でも飲食用でなければ適用の対象にはならないとしている。たとえば「生きた魚」でも食用は軽減税率の適用対象になるが、熱帯魚などの観賞用は対象外。果物などの種や苗木も10%の税率が適用されるが、カボチャの種などの菓子の材料として使う場合には8%が適用される。

   また、同じ「水」でもコンビニやスーパーで販売されているミネラルウォーターは対象となるが、水道水は飲料用以外にも風呂や洗濯といった生活水としても使われるため、対象外。「氷」も、かき氷は適用対象だが、ドライアイスや保冷用の氷は対象からはずれるなど、利用の目的によって税率が変わるケースがある。

   さらには、みりんや料理酒は酒類のため10%の税率が適用されるが、「みりん風調味料」は酒類に該当しないため8%。「ノンアルコールビール」も軽減税率の対象だ。

「8%」で買った商品をコンビニで食べると......

   混乱を招きそうなのが、イートイン・スペースがあるコンビニや、商品を持ち帰りできるハンバーガーショップなどの外食店だ。店内での飲食か、持ち帰りかを店員がいちいち確認して、適用する税率を店員が判断することになる。

   国税庁によると、「イートインの場合は、本来は『外食』として10%の消費税率が適用されますが、実際にはレジでお客が持ち帰って食べるのか、店内で食べるのか、店員が意思を確認した時点で税率が決まることになります」と説明する。

   また、お客がセットメニューを注文して、飲み物だけ店内で飲むと伝えた場合は「飲み物と食べ物を区分して販売することになる」ので、飲み物だけ10%を適用することになる。

   トラブルが懸念されるケースは、お客が「持ち帰る」といって買った商品に8%を適用したのに、そのお客が店内で食べた場合だ。

   国税庁は、「お客が『持ち帰る』といえば8%になります。確認作業は事業者の販売実態に基づいて対応していただき、その後にお客がどこで食べたか、事業者がどこまで追うのかも事業者の判断に委ねています」という。

   たとえ「8%」で買った商品を店内で食べても、お客に罰則はなく、2%分の消費税を追徴することもない。そうなると、事実上「しり抜け」になる可能性があるが、国税庁は「たしかにお客のモラルに頼る部分が大きいかもしれません」としたうえで、「軽減税率の主旨を広く理解していただき、『社会の目』の中で適正に運用できるようすすめていければと考えています。対応は事業者の判断ですが、外部から見える形にするのは、一つの手段だと思います」と話している。

   そもそも、軽減税率の対象となる飲食料品については、低所得者層への配慮から、日常的な商品にすることが望ましいとされたものの、対象の飲食料品を合理的な基準で選定することはきわめて困難との見方があった。まして「外食」にあたるかどうかを、コンビニやスーパーなどの店員が売り場で判断するとなると、混乱は免れそうにない。

   公開されたQ&Aの、あまりに細かな事例にインターネットでは、

「もしかして、この国の政治ってのは漫才なのか?」
「ややこしくて、現場は間違いなく大混乱するわ」
「もう、笑うべきなのか怒るべきなのかすらわからん」

などと失笑を買っている。

イートインのメニューが限定される可能性も

   とはいえ、コンビニなどにしてみれば、レジでお客に持ち帰りかどうかを「聞くこと」を徹底しなければならないし、そのための店員教育にも手間がかかる。軽減税率の適用対象の商品とそうでない商品を区別して陳列する必要があるかもしれないし、レジ(システム)の対応にもコストがかかる。いったい、どのように対応するのだろうか――。

   全国1万8572か店のうち、3200か店でイートイン・スペースを設けているセブン‐イレブンは「対応策についてはこれから検討していきます」と話す。また、あるコンビニはイートイン・スペースで飲食できるメニューを限定するかもしれないという。

   一方、日本マクドナルドホールディングスは近く、軽減税率の対応策を練るためのプロジェクトチームを立ち上げる。「ドライブスルーを含め、さまざまな店舗があるなか、食事の形態によって税率が変わることになると、お客様の意向をうかがいながらになるので、 よりスムーズにご案内できるようにする必要があると考えています。また、レジなどのシステム対応などもあり、これから検討を重ねていきます」と話している。

   そうしたなか、ローソンは「当社では、食品を別のお皿にきちんと取り分け、盛り付けて食べていただくことを『外食』と考えています。そのため、レジでの確認後にお客様が店の内外、どこで食べてようと(持ち帰りとみて)軽減税率を適用します」と説明。店内の飲食料品にかかる消費税率は、8%を適用することになりそうだ。

   ただ、これらの措置は、消費税が本当に増税されればの話だ。衆参同日選挙とからめて増税延期がまことしやかに噂される中、ネット上では

「国税もご苦労だな。どうせ(消費税率の引き上げそのものが)延期されるだろうに」

といった声も混じっている。

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