「18歳選挙権」を聞く(中)【参院選2016】
候補者は若年層より同年代を狙いたがる
「勝つ!政治家ドットコム」・苅部学さん

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   今回の参院選で「ネット選挙」は3回目。その間に候補者もウェブサイトやソーシャルメディアの活用を進めてきた。今回の18歳選挙権で、どのような影響があるのか。

   政治家ウェブサイト向けのコンサルディングを続けている「勝つ!政治家ドットコム」の苅部学さん(41)に聞いた。

  • 政治家のウェブサイトについて解説する「勝つ!政治家ドットコム」の苅部学さん
    政治家のウェブサイトについて解説する「勝つ!政治家ドットコム」の苅部学さん

政治家のウェブサイトは10年遅れている

――今回でネット選挙は3回目。「勝ちパターン」のようなものは見えてきましたか。

苅部: 報道各社が発表している国政選挙の出口調査によると、「ネットからの情報で最終的な投票先を決めた」などという人は2割程度にとどまっています。「ネットだけの力で勝った」という事例は、これまで知っている限りでは存在せず、ネットが勝敗を分けたというものでも、局地戦で競り合ったものなどごく一部に限られたものと言われています。 ただ今後、この2割をいかに上げていくかが、政治家や我々を含めた業界の取り組みにかかってきていると思っています。

――「2割」という割合は相当大きいように思います。

苅部: その感じ方は政治家次第です。元々地盤がしっかりしているなどでネットにまで意識が向かない人にとっては「たった2割でしょ?」といった具合です。例えばいわゆる落下傘候補と言われる方々や、取りかかりが遅かった人たちにとっては、2割は大きな数値ととらえる傾向があるように思います。そういった人は2割を「育てていこう」という思いがあるので、数年後など長期を見据えて動く人が多いです。意識が違うので日々の動きにも差がついていきます。

――18歳選挙権の影響はありますか?

苅部: 政党ごとの取り組みはあるようですが、議員個人でそこまで取り組むのは難しいのが現状です。あえて18歳、若年層に受けるからこういうことをやろう、というよりは、まずは自分(候補者本人)の年代を中心にしつつ、投票行動を起こしやすい方々を狙ってアピールすることが多い。これまでの経験上、年齢層が下がるほど選挙に反応が薄くなっていく傾向があります。同じことをするのであれば、候補者は投票に効果が高い層を狙うことが多いです。決して若年層を軽視したいわけではありませんが、どうしても反応がいい自分と同じ年代を狙いたがる人が多いのが現状です。元々若年層に向けて啓発活動をしていたような人でないと、なかなか若年層向けに特化して発信してもリターンを得るのは難しいかも知れません。

――ネット選挙が解禁された13年からの3年間で、政治家のウェブサイトやソーシャルメディアはどう変化しましたか?

苅部: 私たちは、元々一般企業にウェブコンサルティングを行ってきた企業です。そんな中で、5~6年前にある政治家からサポートを依頼されたのが今の事業のきっかけです。それをきっかけに政治家のウェブサイトの整備状況や使い方を調べてみたところ、民間よりも5~10年は遅れている、というのが当時の印象です。分かりやすくいうと、00年頃に民間で起こった「とりあえずホームページ作らないと...」という動きに、やっと政治家が追い付いた、という印象です。まだそういう状態なので、より多く使おうとする人と「今のままでいい」という人の差がある。サポートをする側としても人によって、段階が違いすぎるので、ほぼオーダーメイドの対応をすることが多いです。政治家が目標に置くことが多い選挙まで残された時間によっても対応方法は変わってくる。野球で言う「勝利の方程式」があるわけではありません。

ツイッターは炎上し、FBでは「さすが!」といった声が集まる

――では、政治家のネット初心者にはどんなサポートをしているのですか。

苅部: 「選挙が来るから重い腰をあげる」というケースが、やはりほとんどです。選挙まで残された時間で何ができるか。全部できれば理想ですが、実際には難しい。国政なのか地方なのか、選挙期間なのか通常期なのか、SNSだったらツイッターかフェイスブック(FB)のどちらがいいのか、政治家が筆不精か筆まめか、など様々なパターンがあります。そもそも書けるか書けないかは別にしても、書くためのネタは沢山あるはずなので、「筆不精なら、例えば最低1週間に1回更新しましょう」などと細かく目標を決めて取り組んでいきます。

――ツイッターとFBは、どちらが「政治家向き」なのでしょうか。

苅部: ツイッターは匿名が多いのに対して、FBは原則実名のコミュニティーです。ごく一般的に考えると、ユーザーにしてみれば実名を名乗りながら政治家にきついコメントをするのは、なかなかハードルが高いと思います。実名であることがある意味でいいブレーキになってくれています。一方で、ツイッターでは匿名であることもあり、相手に攻撃的なコメントを飛ばすことはハードルが低く感じると思います。ツイッターでは文字数が限られていることもあり、言葉足らずになるケースから炎上するなども散見され、「どちらかを選ぶとすればフェイスブックから」という説明をよくします。ツイッターはある程度ユーザーとやり取りをする覚悟があって、ネットを理解し使いこなしている人向けだと考えています。結果的に実名のFBの方が健全なコミュニティーが形成される可能性も高いので、FBで仲間、ファンをつくっていきましょうということをお勧めしています。ある政治家が同じ内容をツイッターとFBに書き込んだときに、ツイッターでは炎上し、FBでは「さすが!」といった声が集まったこともあります。

候補者が書き込む内容は「主義主張2、共感6、人柄2」がお勧め

――この3年でFBのページを持つ政治家も増えました。

苅部: 我々がサポートに入る場合、初心者の方にはまずは発信することに慣れるため「書きたいことから書く」ことを覚えてもらいます。その後、FBのシステムを理解し、特性を利用した投稿割合での投稿をお勧めしています。
これはまだ政治家の方々にはあまり知られていないことですが、FBで投稿をすれば必ず友達やファンのタイムラインに表示される訳ではないということです。
ここでは詳細は省きますが、表には見えないパラメーターである親密度などと言われるスコアを稼がないと、相手の手元に投稿した情報が届かないということが起きるのがFBのシステムです。
ごく分かりやすく言うと投稿に「いいね!」を付けてくれれば親密度が上がり、その人のところに情報が表示されやすくなる(タイムラインで表示されやすくなる)ことなどFBの特性を理解した上で「いいね!」をもらえるようにすることが重要です。
書き込む内容は、「主義主張2、共感6、人柄2」をお勧めしています。政治家は、主義主張や政治的メッセージを最も発信したがるものですが、それが過ぎると読者との温度差が生まれてしまうことがあります。「いいね!」をつけないということは、その人はその政治家の投稿を好んでいないとFBは判断し、別の人の投稿を優先して表示するなど悪循環が始まります。
「いいね!」を付けると逆にその政治家の投稿を好んでいるから優先して表示しようなどとなるわけです。本来のFBのあり方とは違うかもしれませんが、そういう特性を理解しておくのとおかないとでは効果が変わってくるのです。
システム的なものだけでなく、投稿をよく見ることになると心理的にも身近に感じるようになりますから、なかなかバカにできないと思います。
6割の「共感」は、写真を見ただけで「いいね」を押せるようなもの。「桜がきれいな季節になりました」「夏日なのでアイスクリームを食べました」といった具合です。そればかり投稿していても「仕事していないのではないか」と思われるので、バランスは難しいところではありますので、内容については実例を出しつつサポートをしています。最後の2割「人柄」は、読んで字のごとくですが、政治家ご本人を知ってもらえるような投稿をお願いしています。日本人はアメリカ人などと違って、政治的なものに公の場で賛同したり反対するのを控える傾向にあると思います。
そういったこともあって、政策を前面に打ち出すことよりも、まずはどんな人なのかを知って、そちらから興味を持ってもらうのが近道でもあったりします。例えば「いかつい顔をしていますが、実は趣味はあやとりです」といったパターンです。読者からすると「この人政策は難しいが、悪い人ではないから応援しようかな」とつながることもあるので、人柄を知ってもらうことはなかなかに重要です。

苅部学さん プロフィール
かりべ・まなぶ 株式会社ジェイコス取締役。大手不動産会社の営業を経て1999年Web制作会社へ入社。2005年にWebコンサルティングに特化したJCOSへ参画。取締役就任。業界歴10年の経験を活かし、大手メーカーを中心にWeb戦略をコンサルティングし顧客の業績アップを果たす。現在は政治家専門のWebコンサルティング事業を展開し、様々な政治家へWeb戦略のアドバイスを行っている。

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